電子書籍あり 学びなおすと地学はおもしろい 地震や温泉など身近なテーマから「地学」を楽しむ! 地学・天文学 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する ※品切れ(再入荷通知サービスが利用できます) 他のネット書店で購入する 著者名 小川勇二郎 ISBN 978-4-86064-270-9 ページ数 192ページ 判型 四六判 並製 価格 定価1,650円(本体1,500円+税10%) 発売日 2010年10月20日発売 立ち読み PDFファイル(539KB) 目次 PDFファイル(175KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 私たちの身のまわりには地学の話題があふれています。ちょっと回りを見渡しただけでも日本中には様々な地形や断層や岩などが見られます。私たちの足元には様々な形の地面が広がっていて、それらの歴史やメカニズムを知るのはとてもわくわくすることです。中学、高校の授業で興味を持てなかった人もそうでない人も、みんな「地学っておもしろい!」と思っていただける入門書です。 ニュースには地震・環境・資源など地学の話題が溢れている。また、見わたす風景もすべて地学の一部である。学校では面白さ、魅力を感じることのできなかった「地学」が実は非常に身近で面白いものだと気づかせてくれる入門書。… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より抜粋) 標準的な日本の生徒は、高校ではおそらく途中から理科系、文科系などとコース分けがなされ、どちらかに属することになるでしょう。そこではできるだけ効率的な科目が割り当てられ、教科、科目が決まり、それで卒業、就職、大学あるいは専門学校へ進学。受験は、大学ごとに横割り(学部単位での募集)と、縦割り(学科単位での募集)とがあります。高校生のうちに、おおよそのコース分けがなされてしまっているきらいがあります。早期に具体的な目的を持ちなさい、などと教育されるケースもあるでしょう。しかし、どだい、理科系、文科系などの区分が本質的なものであるようには思えません。全体を満遍なく学ぶのは日本では中学で終わりなのです。一生の専門を高校生のうちに選ばせるのは、早すぎるのではないでしょうか? もともと、学問などに境界はなく、ましてや理科の科目に、境界があるはずはない。あるのは、自然科学とか、人文科学とかのやんわりとした区分と、直感的か論理的か、また解析的か総合的か、などの感性の違いがあるだけです。それも、全部必要なのです。 私も、もう一度学びなおすことの重要性を考えています。学問、科学、技術は時代とともに大いに変わっていきます。またそれにつれて、物事の考え方、捕らえ方、人間の生き方までも変わっていきます。環境問題、地球温暖化などは、私たちの子供のころは(足尾鉱毒事件などをのぞいては)論じられたこともありませんでした。あったのは、災害にどう立ち向かうか(あるいはどう逃げるか)、くらいでした。 2008年8月にオスロ郊外で開かれた万国地質学会議(4年に一度の大規模な学会) では、サステナブル( sustainable )、リニューアブル(renewable)という言葉があふれていました。持続可能な社会を作ろう、再生可能な資源エネルギーを考えよう、ということが、資源や環境を扱ってきたこの分野の地質学者一同の任務であることが万国共通の考えとなったのでした。そのときの副会長であった、エルドリッジ・ムーアズ教授は、「ジオロジー・アンダーライズ・エブリシング(Geology underlies everything.)」という名言をはいて、喝采を浴びました。それは、すべては地質学(広義では地学全体を指す)を基礎としている、ということです。これからは、すべての行動に責任が伴う。ゴミ一つとってもどのように出すか、が課題なのです。すべてのものを解決するのに、地学が重要だという認識は世界規模で広がっています。 21世紀に入って、世の中が騒然としてきました。先進諸国の繁栄に続きたいと願う多くの国家、一方でこの世は終わりだ、と警告する人々。そんな中、メキシコ湾の油田で大規模な油漏れが起きました。環境の悪化だけが日本では報じられていますが、実際は、ピークオイルという、これ以上もう原油は取れないのではないか? と心配する人々を、おののかせています。環境も資源も地学です。私たちは、日ごろのニュースの中に潜む地学の中に生きています。私たちの未来は地学にかかっています。未来予測ができない学問は、学問じゃない。と呼びかける人々もいます。確かに。そこで、もう一度地学を学ぼうではありませんか!… もっと見る 小川勇二郎(おがわ ゆうじろう) 1945年東京生まれ。 野外地質学が専門。 主として付加体やオフィオリティック・メランジュを陸上、海底下で調査研究した。筑波大学名誉教授。東電設計株式会社顧問。 著書:『付加体地質学』(久田健一郎氏と共著)、共立出版。※この情報は 2010.10.20 時点のものです。