ロングセラー電子書籍あり ガロア理論の頂を踏む 一番やさしい方法でガロア理論をきちんと解説します。 数学 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 石井俊全 ISBN 978-4-86064-363-8 ページ数 504ページ 判型 A5判 並製 価格 定価3,630円(本体3,300円+税10%) 発売日 2013年08月22日発売 立ち読み PDFファイル(1MB) 目次 PDFファイル(788KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 本書は、「一般の5次方程式が根号で解けないことをきちんと証明する」ことを頂上(ピーク)として、そこに向かって一歩一歩、しっかりと登っていく本です。前提としているのは、高校数学の知識です。それがしっかりと理解できていれば読めるようになっています。ピークへの過程に出てくる定理には、証明が全て書いてあります。一番易しいルートを選択しながら、途中から急に難しくなることなく、最初から最後まで、同じ丁寧さで解説していきます。 … もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 【ピークを目指そう】 この本は, 「一般の5次方程式が根号で解けないことのきちんとした証明を いちばんやさしい筋道で理解し感得する」 ことを目指しています。 ● ガロア理論の啓蒙書を読んだけれども,最後の方の5次方程式が根号で解けないところの説明・証明がクリアにはわからない。 ● そこで,専門書を手に取ってみたが挫折した。 ● でもやはり,5次方程式が根号で解けないことの証明が気になるので読んでみたい。 このような読者の方のために,この本を書かせていただきました。 5次方程式が根号で解けないことを示すには,次の定理を証明しなければなりません。 ピークの定理 方程式f(x)=0の解が根号で表せる ⇔ 方程式f(x)=0のガロア群が可解群である この定理が証明されれば,5次方程式が根号で解けないことを示すことができるのです。ガロア群も可解群も説明していないのに,いきなり専門用語を出してしまって恐縮です。 この本では,この定理を「ピークの定理」と称し,本全体を通して目標とする定理としています。 ここでいう「目標とする」という意味は,単に定理の内容を理解するだけに留まりません。定理を証明して感得するという意味です。 この本のすべての記述,定義・定理の積み重ねは,「ピークの定理」を証明するためにあるといっても過言ではありません。ですから,啓蒙書でよくあるようなガロアの人物・伝記については一言も触れられていません。この手の解説は他書にお任せいたします。 「ピーク」とは山の頂の「ピーク」という意味で,この本だけの用語です。この本は,このピークの定理に登頂することを目指すアルピニストのための本なのです。 ロープウェイで途中の山小屋まで行って,頂上を眺めながらコーヒーを飲むだけでもそれは素晴らしい登山体験ですが,本書では,そのはるか先に仰ぎ見える頂上まで,一歩一歩,自分の力で登っていきます。 とはいえ,ハーケンを一本一本岩崖に打ちつけながらの本格的な登山スタイルで登るのでは負担が大きすぎます。そのためには資金も時間も普段からの専門的なトレーニングも必要になってきます。 そこで本書は,ピークを踏むために,もっとも体に負担の少ないルートを選びました。本書がとるルートでは,登山道には木の階段が整備してありますし,岩場には頑丈な鎖がつけてあります。必要とする装備も最小限に留めました。一歩一歩着実に登り続ければ,必ずやピークを踏み,ガロア理論の全貌を眼下に見ることができるでしょう。 【参考文献】 服部昭『初等ガロア理論』,宝文館出版(1975) 草場公邦『ガロワと方程式』,朝倉書店(1989) 彌永昌吉,有馬哲,浅枝陽『詳解 代数入門』,東京図書(1990) 中島匠一『代数方程式とガロア理論』,共立出版(2006) Ian Stewart 著,永尾汎 監訳,新関章三 訳『ガロアの理論』,共立出版(1979) 藤崎源二郎『体とガロア理論』,岩波書店(1997) 原田耕一郎『群の発見』,岩波出版(2001) 足立恒雄『ガロア理論講義[増補版]』,日本評論社(2003) Jean-Pierre Tignol 著,新妻弘 訳『代数方程式のガロアの理論』,共立出版(2005) Benjamin Fine,Gerhard Rosenberger 著,新妻弘,木村哲三 訳『代数学の基本定理』,共立出版(2002)… もっと見る 石井俊全(いしい としあき) 石井 俊全(いしい としあき) 1965年東京生まれ。 東京大学工学部建築学科卒、東京工業大学数学科修士課程卒。 「大人のための数学教室 和」講師。 ●主な著書 「まずはこの一冊から 意味がわかる」シリーズ 『線形代数』『統計学』『多変量解析』 『ガロア理論の頂を踏む』 『一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する』 (いずれも、ベレ出版) 「1冊でマスター 大学の」シリーズ 『微分積分』『線形代数』『統計学』『複素関数』 (いずれも、技術評論社) ※この情報は 2024.04.23 時点のものです。