世界史劇場 天才ビスマルクの策謀 鉄血宰相はいかにしてヨーロッパの国際関係を操ったのか 世界史 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 神野正史 ISBN 978-4-86064-622-6 ページ数 300ページ 価格 定価1,760円(本体1,600円+税10%) 発売日 2020年06月17日発売 立ち読み PDFファイル(2MB) 目次 PDFファイル(326KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 いまから130年前、ドイツ帝国のひとりの政治家が失脚しました。その政治家の名は、「オットー・フォン・ビスマルク」。ビスマルクは、「鉄血宰相」の異名をとった天才政治家です。プロイセン王国の首相・外相を務め、ドイツに統一国家をもたらし、ヨーロッパの外交を巧みに操って勢力均衡の安全保障体制を構築しました。しかし、ヴィルヘルム2世が即位すると、ビスマルクは辞任に追い込まれます。結果、ヨーロッパの均衡は崩れ、24年後には史上初の世界大戦が勃発してしまいます。本書ではイラストと臨場感あふれる解説で、ヨーロッパ近現代史を学ぶうえでとても重要な「ビスマルク体制期」とその崩壊の過程を描きます。… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 近代以降、ヨーロッパは“ たったひとりの人物” に翻弄されたことが三度あります。 そのひとりが「ナポレオン1 世」。 一時はほぼ全欧がナポレオンの直接支配を受けるか、さもなくば属国・同盟国・友好国の地位に置かれ、終始彼と対決姿勢を鮮明にしていたのはほとんどイギリスくらいのものでした。 もうひとりが「A.ヒトラー」。 彼もまた、一時はほぼ全欧を支配下か、属国・同盟国に置き、終始彼に対決姿勢を鮮明にしていたのはやっぱりイギリスくらいのものだった ── などなど彼とナポレオンとの共通点は多い。 そのため両名はよく比較され、本「世界史劇場シリーズ」でもすでに取り上げられていますが、じつはナポレオンとヒトラーの影に隠れてもうひとり、全欧を手玉に取った人物がいます。 その人物こそが「O.ビスマルク」です。 何かと共通点の多いナポレオン・ヒトラーに対して、ビスマルクは彼らと一線を画します。 ナポレオン・ヒトラーが「武」を以もって全欧を制したのに対して、ビスマルクは「智」を以て全欧を手玉に取りました。 さらにナポレオン・ヒトラーが全欧を「戦禍(ウォー・ダメージ)」に巻き込んだのに対して、ビスマルクは全欧に「秩序(オーダー)」をもたらします。 じつは、ヨーロッパは近世以降「国際秩序(インターナショナル・オーダー)」なくして秩序が維持できなくなっており、ウェストファリア体制が生まれてから以降、ウィーン体制・ヴェルサイユ体制・ヤルタ体制など、何度も「国際秩序」を構築していますが、それらはすべてその時代の覇権国家の合意によって決められ、国際機構によって維持されたものであって、「たったひとりの人物の智」で構築され、「その掌の上」で転がされた国際秩序は後にも先にもこの「ビスマルク体制」のみで、彼の政才が如何にズバ抜けていたかが窺うかがい知れます。 知名度こそナポレオン・ヒトラーに及ばないかもしれませんが、彼が歴史に及ぼした影響は両名に引けを取りません。 しかし。 ひとりの“ 天才” の胸三寸・掌の上で維持されてきた平和は、そうであるが故に殆い。 彼の偉大さをまったく理解できない痴れ者ものによってビスマルクが失脚したとき、その“ 支え” を失った平和は音を立てて崩れはじめます。 そしてそれが、ヨーロッパの“ 終わりの始まり” となります。 ひとたび崩壊が始まったが最後、崖を転がり落ちゆく岩の如く、何人たりとも止めることのできない破滅への道を一直線に転がり落ちていき、その先に待ち受けていたものが「第一次世界大戦」「戦間期」「第二次世界大戦」、そして戦後現代と“ ヨーロッパ衰亡の歴史” が現在までつづくことになりました。 いえ、筆者の見るところこれからも。 今は老醜をさらけ出しながらEU にしがみついてなんとか生き残りを懸けている欧州ですが、これもうまくいくことなく21 世紀いっぱいまでに“ 地球の辺境” として誰も一瞥だにしない小国群に成り下がっていくことでしょう。 したがって、現代を理解し未来を知るためには、その濫觴となったビスマルクの理解は必須となります。… もっと見る 神野正史(じんの まさふみ) 歴史エヴァンジェリスト河合塾世界史講師。世界史ドットコム主宰。ネットゼミ世界史編集顧問。ブロードバンド予備校世界史講師。歴史エヴァンジェリスト。 1965 年、名古屋生まれ。出産時、超難産だったため、分娩麻痺を発症、生まれつき右腕が動かない。剛柔流空手初段、日本拳法弐段。立命館大学文学部史学科卒。 教壇では、いつも「スキンヘッド」「サングラス」「口髭」「黒スーツ」「金ネクタイ」という出で立ちに、「神野オリジナル扇子」を振るいながらの講義、というスタイル。 既存のどんな学習法よりも「たのしくて」「最小の努力で」「絶大な効果」のある学習法の開発を永年にわたって研究し、開発された『神野式世界史教授法』は、毎年、受講生から「歴史が“見える”という感覚が開眼する!」と、絶賛と感動を巻き起こす。 「歴史エヴァンジェリスト」として、TV出演、講演、雑誌取材、ゲーム監修など、多彩にこなす。「世界史劇場」シリーズ(ベレ出版)をはじめとして、『最強の成功哲学書 世界史』(ダイヤモンド社)、『暗記がいらない世界史の教科書』(PHP研究所)、『ゲームチェンジの世界史』(日本経済新聞出版)など、著書多数。 ※この情報は 2023.04.21 時点のものです。