電子書籍あり 物質の究極像をめざして 素粒子論とその歴史 物理 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 和田純夫 ISBN 978-4-86064-629-5 ページ数 276ページ 判型 A5判 並製 価格 定価1,980円(本体1,800円+税10%) 発売日 2020年09月14日発売 立ち読み PDFファイル(735KB) 目次 PDFファイル(402KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 「物質は原子からできている。」20世紀に活躍した偉大な物理学者の一人であり、その魅力的な人格やエッセイでも知られている、リチャード・ファインマンの言葉です。“文明の滅亡が避けられなくなり、また蘇るかもしれない人類に一言だけ遺言をのこすとしたら”という問いに対する答えでした。古代より人類は、自身の肉体も含め、目の前にある、もしくは夜空の彼方にある物質の、究極像を追い求めてきました。本書はニュートンから始まり20世紀の素粒子物理学の発展を追いつつ、その基本的なことを数式をほとんど使わずに解説する入門書です。… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 本書は学生や一般の方向けの、素粒子物理学の解説書です。 素粒子とは、この世界を構成する基本的な構成粒子のことです。何が世界の素粒子なのか、そもそも素粒子といったものがあるのかといった論争は古代からあり、近代科学が始まった 18 世紀からも続いていました。そして、今では誰でも認めている原子というものの存在が確立し、「原子核+電子」という原子の構造がわかったのが 20 世紀初頭です。 それ以降の発展は、目覚しいものがありました。アインシュタインによる光量子仮説(1905)、量子力学の誕生(1925、1926)、湯川秀樹による中間子論(1934)、クォーク模型(1964)、電弱統一理論(1967)、そしてさまざまな新粒子発見の後のヒッグス粒子の発見(2012)まで、この 100 年間は素粒子物理学の黄金時代だったと言ってもいいでしょう。 この本は、素粒子物理学の解説書でもありながら、その歴史の解説書でもあります。数式は極力避けましたが理屈を並べることは避けませんでした。そのため、各粒子の質量(重さ)などの数値はいたるところに出てきます。その意味では教科書的な本と言ってもいいかもしれません。頭を使うことによって、皆さんに、わかったと感じていただきたいと思っています。 ヒッグス粒子の発見によって、いわゆる 20 世紀の、素粒子の標準理論というものが確立したのですが、単に一段落付いたというだけのことで、これで終わったわけではありません。今後、何が解明されていくべきなのかは最終章で説明しますが、それらの問題を解決するために現在、最前線の科学者が行なっている「まだあやふやな」話には基本的に触れません。その一方で、20 世紀になるまでの近代科学での物質観の変遷について、簡単な解説をします。人類がもつ知の中での素粒子物理学の位置を感じてほしいと思います。 本書の出版を快諾していただいたベレ出版、そして編集を担当していただいた坂東一郎氏に深く感謝いたします。世界は現在、この本を執筆したとき(2020 年初頭)には考えられなかった事態になっています。素粒子物理学、出版界、そして日本を始めとした人類社会全体が、これに負けずに発展していけることを願っています。… もっと見る 和田純夫(わだ すみお) 成蹊大学非常勤講師、元・東京大学大学院総合文化研究科専任講師。理学博士。1949年、千葉県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。専門は理論物理。研究テーマは、素粒子物理学、宇宙論、量子論(多世界解釈)、科学論など。※この情報は 2020.09.14 時点のものです。