電子書籍あり 「環境の科学」が一冊でまるごとわかる 自分の頭で考え、自分の意見をもつために必要な知識を身につける 地学・天文学 化学 生物 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 齋藤勝裕 ISBN 978-4-86064-636-3 ページ数 248ページ 判型 A5判 並製 価格 定価1,870円(本体1,700円+税10%) 発売日 2020年11月16日発売 立ち読み PDFファイル(2MB) 目次 PDFファイル(695KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 地球の環境が一時的によくなっているというニュースを目にすることがあります。人間の活動により、人間にとっての地球環境が急激に変化し続けていることは確かです。温暖化一つにしても、さまざまな見解がありますが、「環境問題」について、自分の頭で考えるためには政治や経済などに影響されない科学的な知識が必要になります。本書では、環境問題の基礎知識と歴史から始まり、人々の関心の高いさまざまな環境とその問題について、とにかくニュートラルな目線で易しく解説していきます。… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 本書は環境と環境問題に対する科学的知見をご紹介しようというものです。環境は誰でもわかるもののようでありながら、実は漠然とした概念です。環境を解析・理解し、環境問題を解決するにもいろいろのアプローチの仕方があります。 環境問題の経緯を知るには歴史的な視点が必要でしょうし、環境問題を解決するためには政治・経済的な視点と手法が必要でしょう。2015年9月に国連サミットで採択されたSDGs、持続可能な開発の概念もそのようなものです。 しかし、環境問題を考え、解決するためにはまず、環境とはどのようなものであり、どのような問題を抱えているのかを冷静に調査・解析し、理解しておく必要があります。それがないといたずらに悲観的になったり、場当たり的な解決法に飛びつくことになりかねません。 環境はいうまでもなく、私たちが生活・活動し、生産するところです。それは大きくいえば宇宙や地球であり、少し縮めれば社会や街になり、うんと狭めれば家庭の室内になります。つまり、環境というのは考える対象によって広くも狭くもなるのです。 地球環境といった場合にはどうなるでしょうか? 地球の最も高いところはエベレストの山頂で、高さはおよそ10kmです。最も低いところはマリアナ海溝で、深さはおよそ10kmです。すなわち、地球上で人類が動ける範囲、つまり地球環境はこの「上下20kmほどの空間」なのです。 地球は直径1万3000kmの球です。ノートにコンパスで直径13cmの円を描いてみましょう。この円を地球とすると、先に見た地球環境は幅0.2mmの線となります。つまり鉛筆の線の幅ほども無いのです。人類はこの鉛筆の線の範囲で地球にへばりついて生きているのです。この空間を汚してしまったら、他に行くところはありません。 環境はしかし、そのような空間だけをいうのではありません。私たちは1人で宇宙空間に立っているわけではありません。私たちは大地に立ち、大気に包まれ、太陽の光を受けて立っています。そして家に住み、衣服を着て、食物を摂って生活しています。すなわち私たちは多くの物質に囲まれ、その恵みを受けて生きているのです。このような、空間に存在するすべての物質、生命体を含めて環境というのです。 物質や生命体をつくるのは化学物質です。そうだとすれば、環境を構成し、環境に大きな影響を与えるのが化学物質であることはいうまでもないことになります。つまり環境を理解し、環境に働きかけるのは化学という研究・学問の力となります。 環境は私たちの生存にとって最も大切なものです。人類はこの環境の中で誕生し、進化し、今日の文明を築いてきました。その間、何百万年にも渡って環境は受け継がれ、私たちの代に至っています。私たちは祖先から受け継いだこの環境を次世代の人たちに受け渡していかなければなりません。 ところが最近、この環境に変化が起こっています。地球環境は地球の温暖化、酸性雨、砂漠化、オゾン層破壊など、人類がこれまで経験したことのない重要問題と向き合っています。環境を護り、浄化していくために私たちは何をすればよいのでしょうか? このような問題を共に考えようというのが、本書の目標です。地球とは、水圏とは、気圏とはどのようなものなのか? そこにある物質はどのような性質を持つものか? さらには人類の生産活動によって新たに加えられた物質はどのような性質なのか? 本書はそのような質問にも答えます。 本書を読み終えたとき、きっと皆さんは環境問題について考えるための総合的な知識を身につけておられることでしょう。 最後に、参考にさせて頂いた著書の著者の皆さまと出版社、並びに本書の刊行に際して多大なご尽力を下さったベレ出版の坂東一郎氏と編集工房シラクサの畑中隆氏に感謝申し上げます。… もっと見る 齋藤勝裕(さいとう かつひろ) 1945年5月3日生まれ。1974年、東北大学大学院理学研究科博士課程修了。現在は名古屋工業大学名誉教授。理学博士。専門分野は有機化学、物理化学、光化学、超分子化学。 主な著書として、「絶対わかる化学シリーズ」全18冊(講談社)、「わかる化学シリーズ」全16冊(東京化学同人)、「わかる×わかった! 化学シリーズ」全14冊(オーム社)、『マンガでわかる有機化学』『料理の科学』(以上、SB クリエイティブ)、『「量子化学」のことが一冊でまるごとわかる』『「発酵」のことが一冊でまるごとわかる』『「毒と薬」のことが一冊でまるごとわかる』『身のまわりの「危険物の科学」が一冊でまるごとわかる』『「原子力」のことが一冊でまるごとわかる』(以上、ベレ出版)など多数。 ※この情報は 2024.11.19 時点のものです。