世界史劇場 春秋戦国と始皇帝の誕生 古代中国はいかにして統一されたのか。始皇帝誕生までの550年を描く! 世界史 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 神野正史 ISBN 978-4-86064-664-6 ページ数 336ページ 判型 A5判 並製 価格 定価1,760円(本体1,600円+税10%) 発売日 2021年07月14日発売 立ち読み PDFファイル(4MB) 目次 PDFファイル(316KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 紀元前221年、秦王政は斉を滅ぼし、史上はじめて中国を統一しました。それまで中国は、各諸侯が分立抗争する状態にあり、中国全土を一人の王のもとで支配されることはなかったのです。そのような中国はいかにして統一に向かっていったのでしょうか。本書ではその過程にあたる春秋戦国時代を臨場感あふれる解説で詳しく描いていきます。この時代には、歴史の展開や思想など、その後の中国史の原型となる要素が詰まっており、中国の歴史を理解するためには避けて通れません。中国史をこれから学ぶ方にもおすすめです。まるで劇を見ているような感覚で歴史を体感できる一冊!… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 歴史を学んでいて“血湧き肉躍る”時代というのはたいてい戦乱時代です。 こうした戦乱の時代というのは、旧制・旧法にしがみつく者から順に亡んでいき、試行錯誤を繰り返しながらもつぎつぎと新しい思想・理念・制度・技術を取り入れていく者だけが生き残る“資格”を神から与えられる時代であり、そうした激動の中から英主・英雄・名軍師・猛将が相次いで現れ、忠臣と奸佞(かんねい)が駆引を行い、軍師が策を講じ、策士が謀略を練り、猛将と勇将が戦場で戦戈(せんか)をぶつけ合って火花を散らす。 裏切り・陰謀・知略が駆け巡り、ちょっとした運命の綾や些細なミスでもあっけなく命を落とす厳しい時代だけに名場面や名勝負がつぎつぎと生まれ、物語としては掛値なしにおもしろい。 さしづめ中国史なら「春秋戦国」「楚漢争覇」「三國志」、日本史なら「戦国」「幕末維新」、ヨーロッパ史なら「ナポレオン時代」がこれに相当し、どれも絶大な人気のあるテーマですが、そうした中でなぜか「春秋戦国」は今ひとつ人気が振るわないようです。 最近 、『キングダム』という漫画が人気を博したことで、この時代にも少し脚光が当たるようになりましたが、『キングダム』の舞台は嬴政(えいせい/始皇帝の本名)の即位後の時代ですから、春秋戦国時代といってもその末期も末期で、その中枢の時代を扱っているわけではありません。 しかしながら、「春秋戦国」といえば、550 年という中国史上もっとも永きにわたる戦乱時代であり、この時代を学ぶことで、中国の古典・故事・成語・四字熟語・諺(ことわざ)などは、この時代に由来するものがたいへん多いことに気づかされます。 それどころか、「中国」という国家・民族のアイデンティティはこの時代に培われたものといって過言でなく、この時代の歴史を知らずして中国を理解することはできないといってよいほどです。 現在 、中国(習近平)は、その右手で近隣諸国に対して強引な膨張政策を押し進める一方、左手で「一帯一路」政策で遠方の欧州・阿州との関係を密にしはじめにようとしていますが、これこそこの「春秋戦国」において范雎(はんしょ)が秦の昭襄王に献策した「遠交近攻」策です。 秦はこの「遠交近攻」により急速に勢力を拡大していきましたが、現代中国もこれにより発展し、「21 世紀の覇者」たらんとしたとき、“目の上のたんこぶ”となってくるのが「前世紀の覇権国家」たる米国です。 したがって中国は、近い将来、米国との対決は避けられませんが、このとき「一帯一路」は“米国を孤立化させる”という役割も果たします。 これは「春秋戦国」において、秦(当時の覇権国家)に対抗する唯一の策として、蘇秦が六国 を説いて回った「合従」策に相当します。 このように、「遠交近攻」にせよ「合従」にせよ、習近平の押し進める国際政策はことごとく「春秋戦国」から学んだものです。 「春秋戦国」は、現代のような国際的緊迫が 550 年もつづいたのですから、それは“教訓の宝庫”です。 中国の“したたかさ”は、こうした長い歴史の中で培われてきた教訓を知り尽くし、これを現代に応用しているところにあります。 ── 敵を知り、己を知らば、百戦殆うからず。 春秋時代の孫子の言葉です。 中国の目論見 、現代の国際情勢を正しく理解するためにも「春秋戦国」の歴史は現代人の“必修科目”といえましょう。 日本人はあの「太平洋戦争」に敗れて以来 、歴史から目を背けてきた側面があります。 しかし、我々も「春秋戦国」に学び、これから到来する“動乱の時代”を生き抜く智慧を歴史から学び取らないならば、脅しではなくほんとうに“亡びの道”を転げ落ちていくことになるでしょう。… もっと見る 神野正史(じんの まさふみ) 歴史エヴァンジェリスト河合塾世界史講師。世界史ドットコム主宰。ネットゼミ世界史編集顧問。ブロードバンド予備校世界史講師。歴史エヴァンジェリスト。 1965 年、名古屋生まれ。出産時、超難産だったため、分娩麻痺を発症、生まれつき右腕が動かない。剛柔流空手初段、日本拳法弐段。立命館大学文学部史学科卒。 教壇では、いつも「スキンヘッド」「サングラス」「口髭」「黒スーツ」「金ネクタイ」という出で立ちに、「神野オリジナル扇子」を振るいながらの講義、というスタイル。 既存のどんな学習法よりも「たのしくて」「最小の努力で」「絶大な効果」のある学習法の開発を永年にわたって研究し、開発された『神野式世界史教授法』は、毎年、受講生から「歴史が“見える”という感覚が開眼する!」と、絶賛と感動を巻き起こす。 「歴史エヴァンジェリスト」として、TV出演、講演、雑誌取材、ゲーム監修など、多彩にこなす。「世界史劇場」シリーズ(ベレ出版)をはじめとして、『最強の成功哲学書 世界史』(ダイヤモンド社)、『暗記がいらない世界史の教科書』(PHP研究所)、『ゲームチェンジの世界史』(日本経済新聞出版)など、著書多数。 ※この情報は 2023.04.21 時点のものです。