電子書籍あり 「空の科学」が一冊でまるごとわかる 著者が現場で見て感じた「空」にまつわる科学をやさしく解説 地学・天文学 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 白鳥敬 ISBN 978-4-86064-702-5 ページ数 248ページ 判型 A5判 並製 価格 定価1,760円(本体1,600円+税10%) 発売日 2022年09月14日発売 立ち読み PDFファイル(4MB) 目次 PDFファイル(603KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 「自家用操縦士」という小型機パイロットの資格をもった著者が、「空」についてのさまざまなことを科学的な目で解説した入門書。操縦桿を握り、自身の操縦で上空にいるからこそ、風も雲も前線も、肌で感じ、立体的にとらえることができるのです。本書では、空気の基本、性質、力学に始まり、風や気圧、雲や雨などの気象現象の基礎知識を学んでいきます。コラムでは「飛行機が異常な姿勢になったときの対処の方法」など、実際に空を飛んでいるときのエピソードも満載です。空が好きな人、飛行機やドローンに興味のある人、天気・気象を学びたい人などに、上空の風を感じながら「空の科学」について学んでいただける一冊です。… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 私たちが地上から見上げるあの空は、青い色をし、朝夕には茜色に染まり、白い雲や黒い雲が低いところから高いところまでさまざまな高度に現れます。ある時は雨を降らせ、強い風が吹きます。このドラマチックな変化に満ちた空間が空です。 空を研究対象とする学問には大気物理学や気象学があります。また生活に密着した技術として天気予報があります。天気予報とは刻々と変わりゆく空の状態の変化を観測し、どのように変化していくかを予想する技術です。 天気の変化は地上だけで起こっているわけではありません。主に成層圏より下の高度10数kmまでの対流圏で起こっているのです。上昇気流・下降気流、東西に流れるジェット気流、気温の変化・水蒸気の移動。こういった高さ方向を含む地球規模のスケールで気象の変化が起こっています。 このような、まさに立体的な気象の変化の中を飛んでいるのが飛行機です。乱気流があれば揺れ、風が強ければ流され、雲があると視界が遮られます。台風が来ると飛べなくなってしまいます。 特に筆者が操縦しているような小型飛行機は、主に高度1万フィート(約3000m)程度より低い高度を飛行しています。このあたりは最も気流の悪いところであり、飛行に影響のある雲も出やすいところです。小型飛行機は操縦桿と飛行機の姿勢を変える補助翼・昇降舵・方向舵などがワイヤーで直接つながっています。そのため、操縦桿を握った手に空気の力を直に感じることができます。小型飛行機を操縦すれば、鳥になったような気分が味わえるといえるでしょう。 というわけで本書では、小型飛行機パイロットの筆者が肌で感じた“立体的な空の姿”を提示し、空気の力学に始まりさまざまな気象現象を解説していきたいと思います。さらに第10章では、パイロットがどのように気象情報を入手するかなど、より飛行機に踏み込んだ内容にも触れていますので、ご興味のある方は覗いてみてください。 また本書には、飛行機に関係した部分ではフィート、マイル、ノットという単位がたくさん出てきますのでご容赦ください。これは飛行機が、未だにヤード・ポンド法を使用しているアメリカで発達したからに他なりません。1フィートは0.3m、1マイル(海里)は1852m、1ノットは0.5m/秒と覚えておいていただければ目安がつくと思います。 それではごゆっくりとお楽しみください。… もっと見る 白鳥敬(しらとり けい) 科学技術分野で著作活動を行なっているサイエンスライター。操縦士の技能証明を持ち、空を飛び回る。愛機はセスナ172型機。同機はまさに飛行機の基本といえるもの。セスナがわかれば飛行機の基本がすべてわかると言っても過言ではない。操縦桿は空気の力をダイレクトに受け、小さな機体は風が強いと木の葉のように揺れる。小型機で空を飛ぶとは、風・雲・雨といった気象の変化を直に感じることでもある。 主な著書に『図解でわかる航空力学』(日本実業出版社)、『飛行機がわかる』(技術評論社)、『無人兵器』(河出書房新社)、『天気と気象』(学研)などがある。※この情報は 2022.09.14 時点のものです。