文章を書くのが苦手な人は「下書きメモ」を作りなさい 文章は「下書きメモ」が9割! 日本語 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 南英世 ISBN 978-4-86064-721-6 判型 四六判 並製 価格 定価1,540円(本体1,400円+税10%) 発売日 2023年04月19日発売 立ち読み PDFファイル(3MB) 目次 PDFファイル(240KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 文章を書くのが苦手な人や文章の書き方を知らない人でも、難なく文章を書けるようになる数々の秘訣を盛り込んだ“特効薬”的な一冊。本書を読めば「頭の中が空っぽ」な状態で書くべきことが思い浮かばなかった人でも、読み手にきちんと伝わる論理構成の文章が書けるようになります。 書くのが苦手な人に共通するのは次の3つです。①そもそも訴えたいことがない、②書く手順や型を知らない、③関連する予備知識がない。逆に言えば、これを克服できれば書くことに対する抵抗感をなくすことができますが、本書はそうしたトレーニングを受ける機会がなかった学生や社会人を対象に、レポート、報告書、提案書、小論文、論文、エッセイ、ブログなどの文章を書くうえで必要とされる基本的スキルを、「下書きメモ」の作成という方法によって身につけるための本です。この一冊で、「主張・結論」の創出から、「構成」「推敲」、そして書くための知識や情報の集め方についても学ぶことができるようになっています。… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 本書は、これまで「書く」というトレーニングを受ける機会がなかった社会人や学生の皆さんを対象に、文章を楽に書くためのエッセンスをまとめたものです。さしあたり1000字程度の文章が書けるようになることを目標としています。新聞記事の1本あたりの長さは400字から600字程度といわれています。ですから、1000字程度の文章が書けるようになれば、それをつないで、もっと長い文章も書けるようになります。多くの人が真っ白な原稿用紙を前に、何時間もウンウンうなりながら悪戦苦闘した経験を持っているでしょう。そんな苦しい思いをせずに文章を書けるようになるには、どうすればよいのでしょうか。 私は40年にわたって高校で「政治・経済」を教えるかたわら、生徒に小論文の指導をしてきました。その中で、文章が書けない人に共通する原因は次の三つにあることを発見しました。本書は、この三つの原因を克服するための本です。 文章が書けない原因 ① 心の底から訴えたいことがない ② 書き方(型と手順)を教えられていない ③ 予備知識がない 特に、①と②に起因することが多かったように思います。そもそも訴えたいことがないのに、文章が書けるはずもありません。「訴えたい」という熱い思いがあれば、それがほとばしり、文章となります。 また、書きたいという思いがあっても、書き方を教えられていないと書けません。何事にも基本となる型(テンプレート)があり、手順があります。日本の茶道や剣道では、修行の一つとして「守・破・離」という段階があります。初級者はまず師匠から教わった「型」を学んでそれを「守り」ます。その後、他流派のよいところを取り入れ、「型破り」といわれる成長をします。そして最上級者ともなれば、師匠の教えから離れて「独自の境地」を目指します。これは、芸術、料理、スポーツなど、どの分野でもいえることです。文章を書くという修行も全く同じです。まずは基本となる「型」と「手順」をマスターすることです。 さらに、書きたいという思いがあっても、関連する予備知識がなければ文章は書けません。材料がなければ料理を作ることができないのと同じです。書くためには最低限の予備知識、それも体系化された幅広い予備知識が必要です。 実は、そのほかにもう一つ大切なことがあります。それは、文章を書き始める前にきちんとした全体像(設計図)を作っておくことです。建物を建てるときには、事前に設計図を用意しておくのと同じです。書き始める前にきちんと設計図を完成させ、いざ書き始めたら最後まで「一気呵成」に書き上げます。途中で立ち止まると乱れが生じます。だから立ち止まることがないように、書き始める前に全体像を作っておく必要があるのです。一般に、文章作成能力が高い人ほど、書き出す前の事前の設計図作りに多くの時間を割きます。文章を書くのが苦手だという人の多くは、全体像を完成させる前に書き始め、書きながら考えています。これでは書いている最中に行き詰まって、書くのが苦しくなってしまいます。 では、書き始める前に、どのようにして全体像を完成させたらよいのでしょうか。実はその点が、文章を書く際の最も重要なポイントです。この本を書きたかった最大の理由も、この全体像の作り方を紹介したかったからです。私が編み出した方法は、 「下書きメモ」を作る というものです。紙はなるべく大きいもの(A4以上)を使います。乱雑な字で構いませんから、とにかく連想ゲームのように、知っている知識をどんどん書き出すのです。そして書き出した中から必要な材料を選択し、書く順番を決め、ストーリーを作っていきます。「下書きメモ」の作成こそが文章を書く秘訣といっても過言ではありません。 文章の書き方に関する本は世にたくさんあります。しかし、「下書きメモ」の重要性に着目した本はほとんどありません。「下書きメモ」を書く要領を身につけると、文章を書く力が飛躍的に伸びます。これまでの経験から、私はそのことを確信しています。書き手からすれば、「下書きメモ」は自分の思考過程を他人にさらすことになるので、できれば人に見せたくはありません。しかし、この水面下の思考過程を改善しないと、書く力が身につかないのです。立派な木は根っこがしっかりしています。文章についても同じことがいえます。 現代は誰でもネット上で発信できる時代です。発信することによって次のようなことが期待できます。 ① 自分の意見を整理し、自分自身を高めることができる ② 自分の存在を他人に知ってもらうことができる ③ 自分の新たな人生が切り拓かれる可能性がある 私自身、高校の一教員でありながらこのような出版の機会に巡り合え、新聞やEテレに紹介されたのも、元はといえば、私の書いたホームページを担当者が見て声をかけてくれたからでした。 文章が書けることは、すべての人に必要なスキルです。この本ではそのための方法を紹介しています。少しトレーニングをすれば、誰でもそのスキルを身につけることができるように工夫しました。書くのが苦手だった人も、本書を読み終える頃には楽しく文章作成ができるようになっているはずです。 それではトレーニングを始めましょう。… もっと見る 南英世(みなみ ひでよ) 1951年生まれ、石川県出身。金沢大学法文学部経済学科卒、大阪府立高等学校元指導教諭(社会科)。論文指導を担当して40年、数多くの生徒の文章力を飛躍的に伸ばし、難関大学合格へ導いた。 著書に『学びなおすと政治・経済はおもしろい』、『意味がわかる経済学』(以上、ベレ出版)、高等学校用教科書『政治・経済』『現代社会』『社会と情報』(以上、共著、第一学習社)、その他『政治・経済指導書』『小論文の書き方』『国語便覧』など多数。http://homepage1.canvas.ne.jp/minamihideyo/※この情報は 2023.04.10 時点のものです。