世界史劇場 オスマン帝国の滅亡と翻弄されるイスラーム世界 現代の様々な争いの原点となった19世紀末から20世紀前半のイスラーム世界を描く 世界史 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 神野正史 ISBN 978-4-86064-726-1 ページ数 336ページ 判型 A5判 並製 価格 定価1,980円(本体1,800円+税10%) 発売日 2023年05月20日発売 立ち読み PDFファイル(3MB) 目次 PDFファイル(244KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 世界史における重要局面を、劇を見ているような感覚で学べるシリーズ。パレスチナ問題をはじめとして、現代の様々な争いの原点となった19世紀末から20世紀前半のイスラーム世界を描きます。 1870年以降、帝国主義は本格化し、ヨーロッパ列強はさらにイスラーム世界への侵略を活発化させます。そうした状況の中、18世紀より徐々に列強に蚕食されてきたイスラーム世界も、内と外の両方から変革を迫られていました。しかし、今からおよそ100年前、1922年、600年以上の治世を誇ったオスマン帝国はついに滅亡します。内憂外患に苦しみながら、政治改革を進めるも、もはや時すでに遅く、列強との戦争、領内での反乱、そして革命によって帝政は消滅してしまいました。また、エジプトやイラン、そしてインドも列強に翻弄され、第一次世界大戦の波に巻き込まれていきます。一方、民族の自治意識も目覚めていきますが、列強にいいように利用され、イスラーム世界は現在の様々な争いの火種をはらむこととになりました。現代史および現代のイスラーム世界を理解するためには避けて通れない時代・テーマを扱った一冊!… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 本「世界史劇場シリーズ」では、これまで3巻にわたってイスラームの歴史を追ってきました。 ・第1巻『イスラーム世界の起源』 (創成期)7~12世紀 ・第2巻『イスラーム三國志』 (隆盛期)12~17世紀 ・第3巻『侵蝕されるイスラーム世界』 (衰退期)17~19世紀半ば 7世紀初頭、「神(アッラー)」の御旗に集いし者どもは一時は向かうところ敵なし、破竹の勢いで三大陸に君臨し千年にわたって“我が世の春”を謳歌したものの、神の定め給うた「盛者必衰の理」に抗うこと叶わず、欧州が近代に入ってほどなく衰えはじめました。 そしていよいよ時代は「帝国主義時代」へと突入します。 帝国主義時代(1870年代~20世紀前半)は、本シリーズではちょうど『天才ビスマルクの策謀』から『第一次世界大戦の衝撃』『ロシア革命の激震』を経て『ナチスはこうして政権を奪取した』のころに相当する時代です。 この時代は「武力のみが無制限にモノを言う」時代であり、強者にはどんな悪虐非道も赦されるのに対し、弱者には何の権利も選択肢も与えられず、ことごとく強者にねじ伏せられ、踏みにじられ、搾取され、亡びの道を免れ得ぬ、酷烈峭刻(こくれつしょうこく)たる時代です。 そんな時代がイスラームの衰退期とぶつかったのは、イスラームにとってこの上ない不幸でした。 ついこの間まで栄華を極めていた「オスマン帝国」は昔日の面影も見えぬほどに衰え、「サファヴィー朝」「ムガール帝国」はすでに亡く。 そんなイスラーム世界に土足で上がり込んできた欧州の横暴を前にして為す術もありませんでした。 オスマン帝国は身包み剝がされ、手足を捥がれて亡びゆき、サファヴィー朝のあとを受けたカージャール朝も列強に翻弄され、吸い尽くされて潰え、特にムガール帝国亡きあと統一王朝を失ったインドはイギリスの隷属民族として猖獗(しょうけつ)を極めました。 イスラーム成立より千年にわたって隆盛し、欧州に対してつねに優位に立ってきたイスラームともあろうものが、“ユーラシア大陸の西の果ての辺疆に棲む森の民”ごときに遅れを取るどころか、なすがままに翻弄されてしまったのはなぜでしょうか。 じつは、そこにこそ、現在に至るまでイスラームが近代化できずに悶絶する理由が隠されています。 イスラームにふたたび復権の陽の目はあるのか。… もっと見る 神野正史(じんの まさふみ) 歴史エヴァンジェリスト河合塾世界史講師。世界史ドットコム主宰。ネットゼミ世界史編集顧問。ブロードバンド予備校世界史講師。歴史エヴァンジェリスト。 1965 年、名古屋生まれ。出産時、超難産だったため、分娩麻痺を発症、生まれつき右腕が動かない。剛柔流空手初段、日本拳法弐段。立命館大学文学部史学科卒。 教壇では、いつも「スキンヘッド」「サングラス」「口髭」「黒スーツ」「金ネクタイ」という出で立ちに、「神野オリジナル扇子」を振るいながらの講義、というスタイル。 既存のどんな学習法よりも「たのしくて」「最小の努力で」「絶大な効果」のある学習法の開発を永年にわたって研究し、開発された『神野式世界史教授法』は、毎年、受講生から「歴史が“見える”という感覚が開眼する!」と、絶賛と感動を巻き起こす。 「歴史エヴァンジェリスト」として、TV出演、講演、雑誌取材、ゲーム監修など、多彩にこなす。「世界史劇場」シリーズ(ベレ出版)をはじめとして、『最強の成功哲学書 世界史』(ダイヤモンド社)、『暗記がいらない世界史の教科書』(PHP研究所)、『ゲームチェンジの世界史』(日本経済新聞出版)など、著書多数。 ※この情報は 2023.04.21 時点のものです。