電子書籍あり 進化生物学者、身近な生きものの起源をたどる 進化の流れをとらえ、今ここにいる生物を理解する 生物 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 長谷川政美 ISBN 978-4-86064-739-1 ページ数 327ページ 判型 四六判 並製 価格 定価2,420円(本体2,200円+税10%) 発売日 2023年10月19日発売 立ち読み PDFファイル(69MB) 目次 PDFファイル(209KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 身近な生きもの、なじみ深い生きものを取り上げ、それらがどのように進化してきたか、最新研究を踏まえながら紐解いていきます。 第1章は「イヌ――もっとも身近な伴侶動物の起源」「ネコ――イエネコ進化史」「ウマ・ロバ――文明に大きな影響を与えた家畜の起源」「スズメ――鳥類最大グループの多様性」といった【身近な動物たちの起源】のお話。 第2章【植物とそれに依存する生き物たち】と第3章【大繁栄する昆虫たち】では、植物や菌類、昆虫の進化や起源を紹介します。 そして、第4章【進化する進化生物学】では、進化生物学に関する興味深いさまざまな話題を語ります。 著者は、日本科学読物賞や日本進化学会賞・木村資生記念学術賞などの受賞歴がある、進化生物学者の長谷川政美先生。近著に『進化38億年の偶然と必然』(国書刊行会)や『ウイルスとは何か』(中公新書)などがあります。 生き物の家系図である「系統樹」をはじめ、図や写真をふんだんに掲載。進化にまつわる信頼できる最新情報満載の一冊です。… もっと見る 著者コメント (「まえがき」より) どの生き物もそれぞれ与えられた環境に適応して生きているが、それはあくまでも祖先がたどってきた過去の歴史を引きずったうえでの話である。 ヒトは直立二足歩行するようになって、それまで前足として歩行に使っていたものを手として使えるようになり、それによって道具をつくれるようになった。 さらに、四足歩行では支えきれないほど大きな脳をもった頭部を、直立することによって支えられるようになった。 このように、直立二足歩行は画期的な歩行様式であるが、それはあくまでも祖先の四足歩行を変形させたものに過ぎない。 生き物は祖先がもっていた素材をいろいろ組み合わせたり、少しずつ変えたりしながら、やりくりして生きてきたのである。 哺乳類の胎盤が進化するにあたって重要な働きをした遺伝子が、もともとはレトロウイルスに由来しているという説がある。このように、ときには画期的な進化の素材が外からもたらされることもあるが、生物が過去のしがらみから自由になることはない。 したがって、現在の生物の生き方を理解するためには、過去から連綿と続いてきた進化の流れのなかで捉えることが必要である。 現在の生物のもつさまざまな特徴は、すべて進化の産物なのだ。 およそ38億年前に生きていた「LUCA(Last Universal Common Ancestor)」と呼ばれる共通祖先から出発した進化によって、多様な生き物たちで満ちあふれる現在の地球が生まれた。 ルカという共通祖先から出発し、枝分かれを繰り返しながら、多様な生き物たちが進化してきたのだ。 このような進化の歴史は、 「系統樹(けいとうじゅ)」というかたちで表現される。近年では遺伝子の実体であるDNAの塩基配列の情報を使って系統樹が描かれるようになってきた。 本書では、私が身近な場所や世界各地でこれまで撮りためてきた写真を中心にして、それにまつわる生き物たちの進化に関するよもやま話をまとめたものである。 2020年から始まった「新型コロナウイルス感染症」と呼ばれたCOVID-19の感染拡大で、3年ほどわれわれの生活は制限された。このあいだ、旅行に出掛けることもなくなり、その代わりに身近な環境をじっくりと観察できる機会が増えたように思われる。 本書で取り上げた話題のなかにも、このような機会に遭遇した生き物を扱ったものが多い。そのため、本書のタイトルのなかに「身近な生きもの」という言葉を入れた。 読者の皆様も、それぞれの身近な生き物を通じて、進化の目で見る生き物の世界を広げていただきたい。… もっと見る 長谷川政美(はせがわ まさみ) 1944年、新潟県生まれ。 統計数理研究所名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。 理学博士(東京大学)。 専門は統計遺伝学、分子進化学。 著書に『DNAに刻まれたヒトの歴史』(岩波書店)、『系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史』(ベレ出版)、 『進化38億年の偶然と必然』(国書刊行会)、『ウイルスとは何か』(中公新書)など。 ※この情報は 2023.08.25 時点のものです。