電子書籍あり 身近な薬用植物ものしり帖 意外と、身近でおもしろい、薬用植物の世界 生物 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 伊藤優 ISBN 978-4-86064-745-2 ページ数 224ページ 判型 四六判 並製 価格 定価2,200円(本体2,000円+税10%) 発売日 2023年12月27日発売 立ち読み PDFファイル(11MB) 目次 PDFファイル(339KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 道ばたに生えているドクダミやクズ、オオバコ、ヨモギ……。 野山で見かけるホオノキやウド、アケビ……。 食べ物や化粧品などに使われているアロエやハトムギ、ウコン……。 これらは全部、薬用植物と呼ばれ、薬として用いられてきた植物です。 本書は、100種の薬用植物を取り上げ、さまざまな「おもしろいところ」「すごいところ」を紹介する一冊です。 「薬効や成分」「利用例」の話はもちろん、「どんなところに、どんな感じで生えているのか」「どんなところが観察ポイントか」といった「観察する際に役立つ知識」や「植物に対する理解が深まる知識」などを紹介するので、植物観察がさらにおもしろくなること間違いなし。 薬用植物という役に立つ植物を通して、植物に関するさまざまなことについて気軽に学べる、知的好奇心をくすぐる植物雑学集!… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 薬用植物。読んで字のごとく、薬に用いる植物のことを表す総称です。木もあれば、草もありますし、日本の植物もあれば、外国の植物もあります。古来、人類(と一部の類人猿)は、体調の異変が起こった際に、身の周りの植物などに救いを求めてきました。古くは古代ギリシャにさかのぼる話で、お隣中国の4000年の歴史にも、もちろん刻み込まれてきました。我が国では、主に中国や韓国の影響を受けながら、日本独自の植物も使っています。 薬学部で学ぶ学問のひとつに、生薬学というものがあります。生の薬、 つまり植物(動物や鉱物の場合もありますが)のある部位を、基本、乾燥させるだけで薬として利用する生薬を学びます。部位として多いのは根や根茎ですが、地上部を丸々使ったり、花の蕾だけ、枝につくかぎ状のトゲだけ、を薬に用いるものもあります。100種類も200種類もある生薬を、絶妙に組み合わせた処方が漢方です。 漢方と聞くと、なんだかハードルの高いものに聞こえますが、一方で、その構成要素である生薬は、意外と我々の生活と関係の深い、いわば生活の延長上にあるようなものも少なくありません。例えば、滋養強壮の生薬サンヤクは、とろろそばなどでおなじみのヤマノイモの可食部と同じものですし、鎮咳去痰の生薬キョウニンは、杏仁豆腐の杏仁として広く食されています。医食同源、もとい医薬同源です。 本書では、我々の身近にある薬用植物を100種選び、植物としての特徴や薬用での利用について紹介しています。同様の書籍が巷にないわけではありませんが、本書はそれらと少し趣が違います。それは、筆者が理学系の出身でありながら、薬学部に勤務していることと深く関係しています。つまり、薬学部出身の先生が書かれる薬用植物の書籍に比べると植物の紹介が多く、逆に、理学部や農学部出身の先生が書かれる植物の書籍に比べると、薬に関する紹介が多いと思います。 本書の執筆が始まった当初、研究室の学生にそのことを喜びとともに報告しました。返ってきた言葉が、 「本なんか出してどうするんですか?」。デジタルネイティブと呼ばれ、スマートフォンとともに成長してきた彼ら彼女らの、嘘偽りのない正直な意見なのだと思います。それでも、私はこの書籍を書きました。ぜひ、学生諸氏にも読んでもらいたいと思います。… もっと見る 伊藤優(いとう ゆう) 伊藤 優(いとう ゆう) 摂南大学 薬学部 講師。専門は植物分類学。 千葉大学 園芸学部 生物生産科学科卒業、千葉大学大学院 自然科学系研究科 修士課程 修了、 東京大学大学院 理学系研究科 博士課程修了。理学博士(東京大学)。 西ハンガリー大学(ハンガリー)、サスカチュワン大学(カナダ)、 オーフス大学(デンマーク)、カンタベリー大学(ニュージーランド)、 中国科学院シーサンバンナ熱帯植物園でのポスドクを経て、2017年に摂南大学 薬学部 特任助教。 2020年から現職。 ※この情報は 2023.10.12 時点のものです。