電子書籍あり 前置詞使い分けプラクティカルワークブック 前置詞を正確に読み取り、自然に使うための力を身につける! 英文法 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 ミツイ直子 ISBN 978-4-86064-747-6 ページ数 288ページ 判型 A5判 並製 価格 定価2,200円(本体2,000円+税10%) 発売日 2023年12月18日発売 立ち読み PDFファイル(1MB) 目次 PDFファイル(164KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 内容紹介 「英語の前置詞、もう迷わない!」 新刊「前置詞使い分けプラクティカルワークブック」で前置詞の「感覚」を学びませんか?前作「イメージで比べてわかる前置詞使い分けBOOK」に続き、今回はさらに深く、より実践的に。前置詞のイメージを体感し、自然と使えるようになるためのステップと具体的な学習方法をご紹介。第1部から第4部ま、前置詞の確認、ニュアンス、役割、実践例まで、幅広くカバー。 あなたの前置詞への理解が、このワークブックで格段に深まります。前置詞の曖昧さに困惑することなく自身を持って使いこなすための一冊。前置詞の理解が、あなたの英語力を新たなレベルへ導きます。… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 一部の日本の英語学習者は、こんな感じの学習に慣れているかもしれません。 「英単語や英文法の全てが言語化され、明示的に教えられる」 私たちは上手に言語化された説明をうけると「理解できた」と感じやすく、安心感を覚えます。そして、それまで知らなかった情報を得ることができると「その学習に価値があった」と判断することが多いのです。ただ、学習には「言語化できない部分」もあれば「明示的に教えることが非常に難しいこと」もあります。「あえて言語化するべきでないコンセプト」もありますし、最初は言語化せずに 体験させ、生徒自身で言語化をさせたほうが良いこともあります。本来、教育と いうのは、学ぶべき内容や学習者の状況に合わせて、このように様々な手法が取られるべきなのです。ただ、学習者の満足度だけを考えると(学習効率ではなく)、 なんでもかんでも言語化をして説明することだけを優先したほうが簡単でもあるのです。ですから、そういう講師が後を絶たないことも事実です。 英語教育でいうと、日本では長らく文法訳読法と呼ばれる教授法が採択されてきました。文法訳読法というのは言語構造(語彙、文法、構文等)の理解を深めることを目的としている教授法で、全てが先生からの説明で成り立ちます。例えばこの教授法に慣れている生徒さんは「全てが言語化されないと不安であり、自分が理解できていると思えない」という判断に陥りやすいですし、「こんな感じだよ」と曖昧な描写の物事をそのまま受け取ることに慣れていなかったりします。 外国語学習において、特に単語の意味は複雑です。「単語の意味」には辞書で 定義付けられるような明確な(明示的な)意味もありますが、言外の(暗示的な) 意味もあります。この言外の意味は、その土地の文化や宗教観、歴史等を知らなければ理解できないこともあります。 また、スイスの言語学者ソシュールが「言語によって世界は分けられ、認知される」と言い、言葉を「記号の体系(記号=形式(音素や文字素)+意味(概念))」 だと定義をしたことは有名ですが、この「意味(概念)」部分は話者によって微妙な誤差が生まれます。これは母国語を話している時にも同じで、例え単語自体 はきちんと伝わっていたとしても、話し手の意図する意味と聞き手の感じた意味が異なってしまう場合があります。言語の意味というのは固定されているわけではなく、あくまでも聞き手の過去の経験や知識、考え方等と作用しながら聞き手の心の中で造り出されるのです。正解はひとつではないのです。 私たちが英語を学ぶ時も、もちろん言語化ができる部分や明示的に学べる部分に関しては、そうして効率よく学んでいくのが得策だと思います。でも、それだけではなく、きちんと「英語は言語だから、言語化し辛いところや明示的に伝えにくいところもある。曖昧な部分もある」と理解し、だからこそ「自分で考え、 自分なりの仮説を立て、それを試し、答え合わせをしていく」という作業が大事なのだと気づく必要があります。そして「なんとなく」「こういう感じ」と上手く言語化できない場合でも、「学べていることはある」「自分の学習は前進している」と自信を持つことも大切です。 特に前置詞は「これはこれ!」という明確な説明がし辛い言語要素です。事実、教材開発で有名な米国会社Kaplanのウェブサイトでも、前置詞は「こういう意味です」と明言するのが難しいと書かれています。そして“They often have multiple and overlapping meanings(前置詞はよく複数の、そして重複した意味を持つこともある)”とも。なので『結局、この前置詞はどういう意味なの?』 という視点で前置詞に触れるのではなく、「こういう時はこんな感じなんだ」「こういう時はあんな感じなんだ」と様々な事例を包括的に吸収して前置詞と付き 合っていくのがお薦めです。 前置詞を理解し修得するためのプロセスは以下のようだと考えています: (1)それぞれの前置詞が運ぶイメージの概略を知る。 (2)その上でたくさんの英語に触れる。前置詞に問題意識を置いて、前置詞が運ぶイメージを感じながら英文を読んだり聴いたりする。 (3)英文を書いたり話したりするときに、自分の伝えたいイメージに合った前置詞を意識して選択していく。 (4)そうするうちに次第に語感が磨かれ、適切な前置詞を瞬時に選択することができるようになる。 必ずしも言葉でまとめようとせず、そのまま丸っと受け止めて、自分なりの「この前置詞はこんな感じ」というのを考えていくようにしてください。 大事なのは「自分で、前置詞のある文章をイメージ理解できるようになる」「アウトプットの時に『これ!』と自信を持って使う前置詞を選べるようになる」というところまで、自分の中に落とし込んでいくことです。ですので、本書では(1)から(4)の全てを網羅してみようと思います。 第1部から第4部と分け、以下の内容をご紹介していきます。 第1部:各前置詞の確認 第2部:前置詞ニュアンス把握チェック 第3部:前置詞役割別チェック 第4部:前置詞を含む文章チェック 第1部では「(1)それぞれの前置詞が運ぶイメージの概略を知る」ということを抑えましょう。 第2部では、英文を読んだり聴いたりする際に、「なるほど!こうやって前置詞を意識していけば良いのか」とわかるようなお手本と練習問題を用意しています。「(2)たくさんの英語に触れる。前置詞に問題意識を置いて、前置詞が運ぶ イメージを感じながら英文を読んだり聴いたりする」を実践していくための第1歩としてください。 第3部では前置詞を役割別にみていきます。「この時はどの前置詞を使えば良いの?」というアウトプット時の参考にしていただけます。ここのゴールは(2)をおこないながら「(3)英文を書いたり話したりするときに、自分の伝えたいイ メージに合った前置詞を意識して選択していく」の準備をする、ということになります。第4部では、第2部と第3部の練習を強化する意味をも含め、異なる 用法を持った前置詞の事例をたくさん見て、インプットとアウトプットの練習をしていただけます。 このワークブックを活用して、前置詞力をアップさせていってください。… もっと見る ミツイ直子(みつい なおこ) 神奈川県生まれ。高校卒業後、単身渡米。州立モンタナ大学にて言語学・英文学・外国語教授法・コミュニケーションスタディーズを学んだ後、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校にて社会言語学と人類言語学を学び、修士号を取得。多くの米国駐在員や留学生、海外在住日本人を始めとするハイレベルの英語力を目指す学習者や日本人英語講師に英語を教えている。留学プログラムや英語教材開発事業にも携わった経験を踏まえ、英語講師のカリキュラム作成や教材開発の手助けもおこなっている。現在は家族とカリフォルニア州オレンジ郡に在住。※この情報は 2023.10.17 時点のものです。