電子書籍あり 時代を超えた「つながり」で読み解く日本史 時代の枠を外し、ダイナミックに歴史を捉える! 日本史 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 松本一夫 ISBN 978-4-86064-755-1 ページ数 272ページ 判型 A5判 並製 価格 定価1,980円(本体1,800円+税10%) 発売日 2024年02月21日発売 立ち読み PDFファイル(6MB) 目次 PDFファイル(222KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 内容紹介 現代の私たちが昭和、平成、令和と時代をまたいで生きているように、歴史上の人物や出来事も、鎌倉時代、室町時代という枠でブツ切りに存在しているわけではありません。ある人物やその弟子が、考え方を受け継ぎながら活躍したり、後の時代に大きな影響を与えたりすることは多々あります。また一見、何の関係もないような人物や出来事が、ある視点から見ると実はとても意味のあるつながりを持っていることもあります。 本書では、人物や家系、名前、政権、企業、地名などについて、時代区分にとらわれずに共通点を見出して、日本の歴史における意外なつながりを史料とともに明らかにしていきます。日本史がさらに面白くなる一冊です!… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 今から三十五年余りも前のことです。当時、最初の赴任校で世界史を教えていた私は、ただ知識を伝えて終わりではなく、何か生徒たちに興味をもって考えさせる授業ができないか、といろいろな実践事例にあたっていました。そうした中で手にした『たのしくわかる世界史一〇〇時間』下(千葉県歴史教育者協議会世界史部会編、あゆみ出版、一九八六年)に、当時千葉高校の教諭であった越川芳雄先生の「イギリスで機械が一台増えれば」という授業案が掲載されていました。これは、産業革命期にイギリスで綿織物の機械が一台増えると、インドやアメリカ、アフリカ、中国、日本ではそれぞれどのようなことが起きるのか、ということを生徒たちに考えさせていくことによって、資本主義体制の成立が世界の各地域を市場や原料・労働力供給地として結びつけていくことを実感させる、といった内容でした。「インドでは織布工が十人死んでゆく」、「アメリカでは黒人奴隷が十人増える」、「アフリカでは黒人が六十人減る」、「中国ではアヘン患者が十人増える」、「日本では開国が一日早まる」など、一見バラバラに起きたかのように思える個々のできごとには、実は強い因果関係があったことを理解させる、とても興味深い実践だと感嘆した(ただし、これらの数字に根拠があるとは思えない)ことを、今でもはっきり覚えています。 学校での歴史学習は、時代順ではありながらも、ともすると突然ある人物が登場したり、何かのできごとが起こったようにとりあげられ、しかもそうしたことが繰り返されるため、子どもたちには無味乾燥な内容と受け取られ、試験のために仕方なく覚えはしても、終わったらたちまち忘れる、という状態になってしまいがちです。これでは「歴史は暗記ばかりで、面白くない」という印象をもたれても致し方ありません。 しかし前掲の実践例のように、一見何の関係もないような人物やできごとが、実はある視点から見ると、とても意味のあるつながりをもっていたことに気づかせれば、子どもたちに(大人にも)「歴史っておもしろい、奥が深い」と興味をもち、さらには個々の人物やできごと自体も、より鮮やかに、かつ深く認識してもらえることが期待できるのではないでしょうか。 本書では、単なる時代の流れということではなく、むしろ時代というものにあまりとらわれずにさまざまな視点を提供し、それによって導き出される人物やできごとのつながりの事例を紹介していきたいと思います。本書をお読みいただくことにより、新たな角度から歴史をより大きく把握することの愉しさを皆さんに味わっていただければ幸いです。… もっと見る 松本一夫(まつもと・かずお) 1959 年生まれ。1982 年慶應義塾大学文学部を卒業後、栃木県の高校教員となり、20年間日本史、世界史等を担当する。専門は日本中世史。2001年博士(史学)。國學院大學栃木短期大学、宇都宮大学等で非常勤講師を務めた。その後、栃木県立文書館等を経て2020年3月、栃木県立上三川高等学校長で定年退職。南北朝期の歴史研究をする一方で、日本史教育の実践的研究にも取り組む。おもな著書は『疑問に迫る日本の歴史』『史料で解き明かす日本史』(いずれもベレ出版)、『日本史へのいざない 考えながら学ぼう』、同2(いずれも岩田書院)、『中世武士の勤務評定』(戎光祥出版)がある。※この情報は 2024.04.05 時点のものです。