電子書籍あり 旅がもっと面白くなる地理の教科書 旅を「より深く」「知的に」楽しむための地理の知識が満載! 地学・天文学 地理 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 松本穂高 ISBN 978-4-86064-639-4 ページ数 176ページ 判型 A5判 並製 価格 定価1,760円(本体1,600円+税10%) 発売日 2020年12月14日発売 立ち読み PDFファイル(95MB) 目次 PDFファイル(391KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 本書は、いわゆる観光ツアーやガイドブックの目線から一歩踏み込んだ旅の視点を提案し、旅をより知的に深く楽しむための地理の教科書です。「小豆島はなぜオリーブの島になったのか」「フランスの畑の景色はなぜ美しいのか」「アンデスの民はなぜ帽子をかぶっているのか」など、旅先でみられる世界各地の特徴の理由を、地理の知識で解き明かしていきます。全編に各地域のカラー写真が満載なので、世界を旅行しているような感覚で読み通すことができて、いつのまにか地理の知識も身につく異色の旅ガイドとも言えます。本書を読んで旅に出れば、これまでとは違った視点でも地域を見ることができ、より深く理解して楽しむことができるでしょう。たまには地理の視点で旅を企画してみませんか?… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 旅の楽しみ方にはノウハウがあります。 たとえばツアー旅行でシンガポールに行くとします。どんな気持ちで参加しますか? 「ツアーコンダクターさんは、どんなところに連れて行ってくれるのだろう」 こう考えました。確かに知らないところへ次々と案内してくれるので、楽しいでしょう。しかし、もし次のような気持ちで参加したらどうでしょうか。 「シンガポールは小さな島国で資源もないのに、どうしてこんなにきらびやかで発展しているのだろう?」 そのギモンを解き明かそうとして、街を見る目が変わります。またツアーコンダクターにもその思いを伝えると、通る道をちょっと変えて港を見せてくれたり、現地で働く人と話す機会を作ってくれたりと、 便宜を図ってくれるでしょう。どちらにしても、 同じ期間、同じ料金の旅行です。どちらの方がより楽しい旅になるかは、明白ですね。 個人で旅行する場合も同じです。ガイドブックに載っている風景を追うだけの旅より、 「なぜ」 、 「知りたい」という気持ちを持って臨むほうが、ずっと充実します。同じ旅なのに、気持ち一つで結果が変わってくるのです。その気持ちを持つためのノウハウを、世界をめぐる旅の実例とともに見ていくのが本書です。つまり本書は、旅をより楽しむためのノウハウを身につけるガイドと思ってください。 本書の構成はシンプルです。各節のテーマに「なぜ」がつくお題を示します。それを、ストーリーで解き明かしていきます。太字で示した部分が、その「なぜ」に対する答えと、それに関連する部分です。ですので、この太字に目を通すだけでも大体のストーリーは把握できます。また、解き明かすストーリーの中で、地理の用語が出てきます。赤色太字にしたものです。この用語は、 お題の「なぜ」を解いた後に、ストーリーを一般化する上で重要なものです。用語を身につけると、考えをまとめたり深めたりしやすくなるので、使えると便利です。こうして、ストーリーを読みながら、ひとりでに用語の知識と風景の読み取り方が身につく構成になっています。この風景の読み取り方のことを、地理の視点といいます。 地理の視点とは、風景の中にある地理的な現象を見つけ出す視点のことで、たとえば地形、気候、生態系、産業、生活、文化などがあります。その中で、本書では産業、生活、文化といった、人間活動と直接かかわる視点を取り上げます。いわゆる人文地理の視点です。地形や気候などの自然とかかわる分野については、本書の姉妹版といえる『地理が解き明かす地球の風景』で取り上げました。いわゆる自然地理の視点です。この人文地理と自然地理がそろえば、地理の視点が完成します。本書の25テーマと姉妹版の25テーマを合わせて 50テーマで、地理の範囲が網羅されます。 そこでこの本を、旅をもっと楽しみたい方にぜひ手にとっていただきたいと思います。もちろん、 あなたも自分の旅をしていく中で、楽しみ方を身につけていくでしょう。しかし、それではノウハウとして確立するまでに何年も時間がかかってしまいます。この本を読めば、効率よく、旅を楽しむノウハウを身につけられるのです。また、学校で地理を学んでいない方にもおすすめです。お題を解いていく中で、ひとりでに地理の知識が身につくからです。地理をやさしく学びなおしたい大学生や高校生にも適しています。私が授業で日々、生活実感に結びつけることでやさしく学べるようにする工夫を、本書に凝縮しました。いきなり用語の解説から入っては、興味は湧きません。まずその地域にどんな風景や現象があり、そこにどんな視点が見つけ出せるかを感じます。そして、それを解くためにどんな知識が必要かを考え、その知識を学んでいきます。こういう順序であれば、興味を持って楽しく学べるはずです。そのように構成した本書は、地理のやさしい教科書でもあります。 教科書といっても、肩肘はって最初から順序通り読む必要はありません。まずは、本書にある世界や日本の写真をパラパラと眺め、興味をもったところから読んでみてください。 さあ、旅を楽しむノウハウを、一緒に探しにいきましょう!… もっと見る 松本穂高(まつもと ほたか) 茨城県立土浦第一高等学校教諭 1973年茨城県つくば市出身。信州大学教育学部,北海道大学大学院地球環境科学研究科で自然地理学を学ぶ。博士(環境科学)。森林インストラクター。 職歴に,北海学園大学,茨城大学非常勤講師。著書に,『百名山の自然学 東日本編』(分担執筆,2002年,古今書院),『世界を歩いて謎を解く 自然地理のなぜ!?48』(2016年,二宮書店),『世界地名大事典 アジア・オセアニア・極』(分担執筆,2017年,朝倉書店),『歩いてわかった 地球のなぜ!?』(2017年,山川出版)など。 地理普及の功績により、2018年度に日本地理学会賞受賞。 国内外でフィールドワークを行い,その成果を日々の授業に生かしている。※この情報は 2020.12.14 時点のものです。