電子書籍あり 本気で学ぶ中・上級フランス語 [音声DL付] フランス文法の全体像をつかみ、完成させるための一冊 フランス語 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 吉田泉 ISBN 978-4-86064-697-4 ページ数 448ページ 判型 A5判 並製 価格 定価3,190円(本体2,900円+税10%) 発売日 2022年07月14日発売 音声ファイル ダウンロード CD購入 立ち読み PDFファイル(1MB) 目次 PDFファイル(388KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 正誤表 内容紹介 中級、上級の文法項目を網羅し、解説はできるだけ丁寧に、なるべく簡潔に、なるべく平易に、を目指して書かれており、レベルの高い内容であってもフランス語学習者が楽しく学べる一冊になっています。項目の最初に例文を挙げ、その文法がどういうものかがわかってから、豊富な例文と一緒に内容を掘り下げていきます。次に、それらをきちんと理解したかを確認できるように、多くの練習問題も収録。理解してすぐに試す、ということができます。加えて、項目の最後には暗唱例文を入れ、やりっぱなしにならないように、確実に身につけるトレーニングができるようになっています。… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) ― 戦争が終わったら、またフーケで会おうな。 ― いいとも。どっちの側だ? シャンゼリゼ、それともジョルジュサンクの側? ― ジョルジュサンクの側だ。 (レマルク『凱旋門』) コロナ禍がようやく終息に近づきつつある昨今、レマルクの大ベストセラーとなったこの小説の一節をよく思い出します。この小説では、主人公とその友だちが戦争でこれからまた別れ別れになるのですが、運よく生き延びたら、またパリ凱旋門わきのフーケのオープンカフェで、待ち合わせるともなくブラっと再会しようぜ、と言い合っているシーンです。私はこの会話がどういうわけかとてもパリらしく感じられて好きです。 フーケは今では高級レストランのようになってしまいましたが、小説に書かれたころはきっと普通のカフェだったのでしょう。二つの通りに面しているので、シャンゼリゼ、それともジョルジュサンクの側、と場所を質問しているのです。ここ数年のコロナで人々はパリから去っていき、しかし終息とともにまた帰ってくるのでしょう。上の引用のようなセリフとともに別れ、そしてまた出会う人々も、もしかしたらいるかもしれません。 私はコロナの始まりとともにフランス語の会話集を書き、途中もう一冊表現集を書き、今回終息とともに中 · 上級の文法書を出すことになりました。この間、みなさんはフランスへ旅をしなかったかもしれませんが、このような本の中での旅もまた可能であったとしたら、とても嬉しく思います。そしてコロナの終焉の結果、ジョルジュサンクの側であなたが現実に誰か友人と会えたなら、それもまた私にとっても嬉しいことです。 私は自分が文法の本を書くことはないと、これまで思っていました。文法書の柄ではないと思っていました。しかし書き進めながら、思い出は、自然に初めて正式にフランス語の文法に出会った駒場の学生時代に遡りました。まだ世間は学生紛争の余熱が感じられるころで、きちんと文法など勉強する雰囲気は全体としてありませんでした。しかし大きな夢も抱いていたころですから、実はやや独学でのフランス語文法も楽しかったといえば楽しかったことになります。 今回、私は初心に帰り、もう一度フランス語文法を学び直すつもりで一歩一歩進みました。そしてフランス語がいかに論理的な美しい言語であるかを、今更ながら痛感しました。「明晰でないものはフランス的でない」という言葉にあるように、フランスは多くのすぐれた哲学者を生んだ国でもあります。出来あがった本を振り返ってみると、図らずも動詞と代名詞の分野にかなりのページを割いたことがわかりますが、ある言語が論理的であるとは、その動詞と代名詞の体系が整っていることになるのかもしれません。 コロナは去りつつあり、ここにまた新たに文法書を上梓するということになりました。私は一人でも多くのフランス語愛好者のかたが、親しみをもってフランス語文法に接し、文法を全体的にとらえながら、解りやすく学習を進められるようにとの祈りをこめて、この本を書きました。一面では独学している人を想定して、その人に語りかけつつ書いたとも言えるかもしれません。独学であってもなくても、かつての私のように楽しいフランス語体験をしていただけるよう、心より願っています。最後になりましたが、一時帰国の間際にもかかわらず、今回もまた音声収録を快く引き受けてくれた Nathalie Lo Bue さんに感謝します。… もっと見る 吉田泉(よしだ いずみ) 富山県生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。 パリ第3大学大学院留学文学修士取得。 東京大学大学院仏文学専門課程博士課程修了。 立教大学、日本女子大学講師を経て高岡法科大学助教授。後に教授。 現在、富山県芸術文化協会名誉会長を務める。 NHKテレビ『世界名画劇場』にてフランス映画の字幕翻訳を長年担当。主なものとして「巴里の空の下セーヌは流れる」「北ホテル」「死刑台のエレベーター」「太陽がいっぱい」「恐怖の報酬」「かくも長き不在」など。 著書に『フランス語会話 話しかけ&返事のバリエーションを増やす[音声DL付]』『フランス語 話すための基本パターン86』(共にベレ出版)『フランス文化・文学の〈現地〉』(TC出版プロジェクト)などがある。※この情報は 2022.07.14 時点のものです。