電子書籍あり サボテンはすごい! 過酷な環境を生き抜く驚きのしくみ ほとんどの人が知らない、サボテンの謎めいた世界 生物 ★★★★★★★ 入門 初級 中級 上級 書籍を購入する 他のネット書店で購入する 著者名 堀部貴紀 ISBN 978-4-86064-699-8 ページ数 216ページ 判型 A5判 並製 価格 定価2,420円(本体2,200円+税10%) 発売日 2022年08月27日発売 立ち読み PDFファイル(8MB) 目次 PDFファイル(702KB) この書籍に関するお問い合わせはこちら 内容紹介 観葉植物として人気のサボテン。ほかの植物とは違う、ものすごい特徴をたくさんもっています。そんなサボテンのすごいところや不思議なところを、日本で数少ないサボテン研究者が余すことなく紹介。 「なぜトゲが生えているの?」「サボテンはなぜ砂漠で生きられるのか」「変わった形をしているのはなぜ?」「サボテンと多肉植物の違いは?」といった素朴な疑問から、「サボテンの表面にあるヒダヒダはなに?」「土に潜るサボテンがいるって本当?」「サボテンの切り口がネバネバしている理由とは?」「サボテンって食べられるの? どんな味?」といったディープな疑問まで、サボテン好きでも知らないような、サボテンの謎めいた世界を案内します。… もっと見る 著者コメント (「はじめに」より) 私が本書で読者の皆さんにお伝えしたいのは、サボテンの生き物としての「すごさ」や「面白さ」です。 観賞用の植物として人気のサボテンが、じつは、たくさんの人の生活を支え、世界各地の生態系に影響を与え、さらには地球の未来を救う可能性を秘めていることをご存じでしょうか? 例えば、ウチワサボテンの仲間は、食品や家畜飼料、加工品原料として、世界の広い地域で消費されています。また近年では、暑さや乾燥などの環境に対する耐性が注目され、砂漠化や土壌侵食の防止にも利用されています。また、地球温暖化や人口増加への対策が喫緊の課題である現在において、有用な作物をつくりだすための植物遺伝資源としてもサボテンの重要性が高まっていくと思われます。 しかし、その驚異的な生命力が裏目に出て、持ち込まれた地域で生態系を乱すこともあります。 サボテンの育て方などを解説する園芸書は数多くこれまでに出版されていますが、「なぜサボテンは高温や乾燥下で生きていけるのか?」「なぜあのような変わった形をしているのか?」などのような問いに対して、科学的な知見にもとづいて解説した本はあまりありませんでした。サボテンがさまざまな形をしているのは、環境への適応の結果であり、その形には生きていくための工夫が詰まっています。サボテンの謎めいた生態を知ると、じつはさらに面白く驚異的な植物であることがわかります。サボテンを研究する者として、彼らの本当の魅力を伝える書籍がないことを非常にもったいないと感じていたときに、この本の執筆のお話をいただきました。 本書は、サボテンや多肉植物に興味を持ち、より深く知りたいと思っている人に向けて書いた、いわば「サボテンの生物学」の入門書です。サボテンの生態についてさまざまな側面から、しっかりと丁寧にわかりやすく解説することを目標にして書いたつもりです。 しかし私としては、生き物に興味のあるすべての人に読んでもらいたいと思っています。すべての生き物はそれぞれに特徴的な生きる力を持っています。対象がどんな生き物であれ、それを知ったときの不思議な感動「センス・オブ・ワンダー(sense of wonder)」に違いはないと感じるからです。 私は、アメリカからメキシコにかけて広がるソノラ砂漠でサワロサボテン(Carnegiea gigantea)と出会ったときに、彼らの強さと美しさに圧倒され、研究者としての人生をサボテンと過ごすことに決めました。 そのときに抱いた感覚を、本書を通じて読者の皆さんと共有できれば幸いです。… もっと見る 堀部貴紀(ほりべ たかのり) 中部大学 応用生物学部 准教授。 中部大学 大学院 応用生物学研究科 博士後期課程修了。博士(応用生物学)。 名古屋大学農学部 資源生物環境科学科 卒業。 専門は園芸学、植物生理学など。 名古屋大学 大学院 修士課程修了後、岐阜放送 報道部に勤務。 その後、研究の道に戻り、現在は中部大学でサボテンを研究中。 日本では数少ないサボテン博士。※この情報は 2022.08.27 時点のものです。