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  • 社長コラム

publisherたれ

先日、出版業界の行事である「第63回全出版人大会」という催しが開催されました。
「全出版人大会」は、出版業界に長年貢献された永年勤続者と長寿者を表彰する催しで、毎年5月に開催されています。
その冒頭で、出版社の中から選ばれた大会委員長が、大会声明を読み上げます。
今年は筑摩書房の喜入冬子社長が大会委員長に就任され、見事な大会声明をお読みになりました。
下記の記事で声明の全文が公開されています。
https://book-link.jp/media/archives/14080

この中でも触れられていますが、「出版」は英語だと「publish」となります。
『広辞苑第七判』によると、「出版」とは「文書・図面を印刷してこれを発売・頒布すること」とされています。
ちなみに「版」は「②印刷して書物をつくること」となっています。
「版」が「出版」になると、「発売・頒布する」という意味が付加されるんですねぇ。
「publish」はさきほどの大会声明にもあるとおり、「public」の動詞形であり、元は「公にする」という意味の言葉です。
出版という言葉は、単に本を作るだけではなく「それを広めること」までを含有しているわけです。

出版社内の代表的な業務は、編集と営業とされます。
もちろんどちらも重要なのですが、本を作る編集が花形と言われることが多いです。
そもそも売るべき本がなければ商売になりませんので、編集が出版社の基盤であるのは間違いありません。
しかし、それをどう広めるか、ということを使命とする営業・販促担当者も、出版社の役割を体現しているわけです。
せっかく作った本も、倉庫に置きっぱなしにしていては、誰の目にも触れることもありません。
「公にする」ために書店さんや図書館さんに置いてもらったり、広告を打ったりして、本の存在を世間に認知してもらう努力と工夫あってこその出版社と言えます。

要するに、本を作ることと、それを公に広めること、どちらも疎かにせず全力を注いでこそ、publishを生業にするpublisherなのである!!と声を大にして言いたいのであります。

良書を作ることだけでなく、それを広めることにこだわるpublisherたれ!!

そのことを肝に銘じていきたいと思う今日この頃です。

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