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大人になって学ぶなら……中国語をおすすめするこれだけの理由 #2

著者 林屋啓子

第2回:中国語教材は無尽蔵

(前回の記事はこちら)
第1回:日本人はアドバンテージがすごい

●教材が簡単に手に入る

 外国語を勉強するためには教材が欠かせません。特に学習者の少ない言語だと、入門書や辞書がなかなか見つからなかったり、かなり高額だったりします。また、その言葉を話す人も少なくて、しっかり勉強したいなら留学でもするしかないということもあるでしょう。
 
 その点、中国語はテキストや辞書が数多く出版されています。内容も硬めのものからイラスト多めのかわいいものまで、自分のレベルや好みに合ったものを選ぶ楽しさがあります。しかも、「発音」「作文」「翻訳」など、苦手な部分に特化した教材も簡単に探せます。日本の作品の中国語版が図書館や洋書店に並んでいることもありますよ。もちろん、Webサイトや動画でも、中国語の教材や解説などはたくさん見つかります。

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日本の作品の中国語版

 他にも「教材」となるものはいろいろあります。例えば、観光地に中国語のパンフレットが置いてあることも珍しくありませんし、電化製品を買うと中国語の取扱説明書が入っていたりします。さらに街の看板や商業施設の案内表示など、中国語は至る所で目にします。日本語が併記されている場合は比較してみるのも面白いですね。ただし、日本で作られたパンフレットなどの中国語は間違っていることもあるので、少し注意が必要です。

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日本で作成されている中国語版パンフレット

 ●中国語をお手軽に体験してみよう

 中国語に触れる機会はたくさんありますが、ここでは“Wikipedia”を使ってお手軽に体験してみましょう。まず、日本語版を立ち上げて適当な言葉を検索してみてください。例えば中国でも人気の「ちびまる子ちゃん」と入力してみます。見出しの右側に「23の言語版」とあるので、「中文」を選んでください。すると中国語版が表示されます。“樱桃小丸子”――「さくらももこ」「ちびまる子」、何だか言いたいことは伝わりますね。中国語版では「大陸簡体字(大陆简体)」や「香港繁体字(香港繁體)」などが選べるので、見出しの下の“不转换”を変更してください。

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Wikipedia 中国語版の画面キャプチャ

 では、説明文を見てみましょう。“《樱桃小丸子》是樱桃子创作的日本漫画作品,1986年在集英社少女漫画杂志《Ribon》开始连载,单行本全17册,后来改编成动画、电子游戏、电视剧。故事描写有关于亲情、友谊或是一些生活事情。”――ところどころ簡体字は出てきますが、途中までならおおよその意味は分かりますね。ちなみに“创作”“漫画杂志”“开始连载”を日本の漢字にすると「創作」「漫画雑誌」「開始連載」となります。後半部分は少しヒントを出しましょう。“动画”“电子游戏”“电视剧”“故事”はそれぞれ「アニメーション」「電子ゲーム」「テレビドラマ」「物語」、“关”“亲”は「関」「親」の簡体字です。
 
 全体をざっと訳すと「『ちびまる子ちゃん』はさくらももこによる日本の漫画作品。1986年に集英社の少女漫画雑誌『りぼん』で連載が開始し、単行本は全17巻。のちにアニメーションやゲーム、テレビドラマに改編された。ストーリーには家族や友情、生活のことが描かれている」という感じです。特に前半、知識のない状態でここまで意味の分かる外国語は、ほかにはまずありません。しかも「語学は若いうち」とされる中、中国語の読解に関しては漢字の知識豊富な大人のほうが断然有利です。

●中国の動画は字幕付きが多い

 さて、仮に中国語を勉強し始めたとして、レベルの上がった段階でも、学習者には嬉しいポイントがあります。中国のテレビ放送や動画には一字一句、字幕のある場合が多いのです。例えば外国語を勉強してニュース番組にチャレンジしても、速すぎて知っている単語も聞き取れないということは多々あります。その点、字幕が表示されている中国の番組は、教材にうってつけです。ちなみに中国中央テレビ(CCTV)のサイトでは“视频”から様々な映像が見られますよ。また、ニュースチャンネル、スポーツチャンネル、バラエティチャンネル……と分かれているので、興味のある分野にアクセスしてみるのもいいですね。

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cctv.com《中国吸引力上海,立于海潮之上》の画面キャプチャ

この記事を書いた人:林屋啓子(はやしや けいこ)
社会人になってから中国語に興味を持ち、仕事を辞めて中国で2年半の留学生活を送る。北京語言大学卒業後は中国語学習雑誌『中国語ジャーナル』(アルク)の編集を8年にわたって担当。また、中国語学習書・教材の企画、制作、編集、校正などを数多く手掛ける。著書に『「社会人」に一休み、中国留学してみれば』(文葉社)、共著に『ひとりで学べる中国語 基礎文法をひととおり』(青木隆浩/ベレ出版)、共編著に『選抜!中国語単語 常用フレーズ編』(相原茂/朝日出版社)がある。

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