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  • 社長コラム

出版の最前線

11月にベレ出版に中途採用で入社した新人2名は、編集部に配属されました。
2人とも編集経験は特にないので、編集のイロハを学んでもらっているところです。
編集部内の研修だけではなく、出版社の仕事や業界全体についても学べるよう、いろいろな研修や経験をしてもらっています。
その一環で12月と2月に、書店さんのご協力をいただいて、書店業務を体験する研修を受けてもらいました。
住宅地に近い駅前立地の、比較的小規模な書店さんと、大きなターミナル付近にある多フロアからなる大型の書店さん、異なる2つのタイプのお店に研修を受け入れていただきました。
書店の基本業務である仕入、陳列、返品、接客、レジ打ちなど、多岐に渡る業務を体験してきたようです。

私も、入社当時に同じように書店研修を経験しました。
いろいろ覚えていることがありますが、そのときは、「わりと大変だけど、いろんなお客さんが来て、本もたくさん届いて、楽しいなぁ」と子供のような感想を抱きました。のんきなもんです。
新人2人に感想を聞くと、楽しさを感じつつも、「結構ハードです、激務です」という声もあり、書店業務の大変さを実感しているようでした。
私が研修をしたのは15年も前。その後、書店さんのスタッフは減る傾向にあり、一人一人の負担が増加しています。
おまけにレジでの決済手段が増えたり、ポイントカードが増えたりと、業務も複雑化しているようです。
そういうことは知識としては知っていますが、口で教えるより体験してもらおう!ということでの書店体験研修なのでした。

出版社の人間は、意外と読者と接する機会が少ないものです。
本を陳列し、読者と直接接し、本を手渡す最前線にいるのは常に書店さんです。
本づくりを仕事とする編集者にとっても、一時的とはいえ、その最前線に立った経験がきっと将来の役に立つと思っています。
私は、新人の頃よりもいろいろな知識を得た今、改めて書店さんを体験したい、と思うときもあるのですが、力仕事や立ち仕事が多い書店さんの仕事に中年の自分が耐えられる気がしません……。
日々、最前線で戦う(しかも、笑顔で!)書店員さんたちに、改めて頭の下がる思いです。感謝!

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