検索
  • 著者のコラム

タイのドラマに登場するタイ料理-その2

著者 難波江ティチャー

「บุพเพสันนิวาส[bùp-phee sǎn-ní-wâat]
ブッペー サンニワー(ト)」(日本語タイトル「運命のふたり」)に出てくるタイ料理

 次に紹介したいタイの人気ドラマは、「บุพเพสันนิวาส[bùp-phee sǎn-ní-wâat]ブッペー サンニワー(ト)」(日本語名「運命のふたり」)というタイトルのドラマです。日本人でも知っている方がいるかと思います。このドラマは現代の主人公が昔の時代に入り込み、その時代に生きている人たちと過ごし、異なった時代の二人の愛に恵まれるという話です。タイのアユタヤ朝時代の史実をベースにしたドラマです。このドラマはNetflix(ネットフリックス)から見ることが出来ます。タイ語音声/日本語字幕で、吹き替えはありません。

หมูสร่ง  [mǔu sa-ròŋ]  ムー サロン

 このドラマでは、ユニークなタイ料理や、宮廷料理などがいくつか登場します。さらに、昔の時代の食べ物なので、現代の人は知らず、食べる機会もない品もあります。

 まず、紹介したい料理は宮廷料理である「หมูสร่ง[mǔu sa-ròŋ]ムー サロン」です。ムー サロンは豚ひき肉とパクチーの根とコショウとナムプラーを混ぜてから、小さな丸い形を作り、ゆでた中華麺で巻いて揚げる軽食です。チリソースなどをつけて食べます。

 昔から中華麺があったのですね!この時代に中国とポルトガルの貿易から入ってきたようです。昔一般の人は、あまり中華麺を知らなく、また手間がかかり、豚が高いため、なかなか食べられませんでした。そのため、一般の人は、豚の代わりにもっと安い鶏で作り、中華麺も使わず卵で揚げました。現在はこのドラマのおかげもあり、レストランや屋台で見かける一品となりました。

 エピソード11では、主人公のガラゲートが、もう一人の主人公のポー・デートのお母さんからムー サロンを習うシーンが登場します。お母さんがガラゲートに料理を教えてあげるのは、彼女を可愛がっているからなんですね。ムー サロンの作り方もある程度出てくるので、昔の料理道具が分かります。そのうちの一つは今でもタイの家庭に欠かせない道具です。何でしょうか。

 答えは、クロックです。日本のすり鉢に似ていて、材料をつぶすために使います。現代のミキサーに似ていますね。

มะม่วงน้ำปลาหวาน[ma-mûaŋ nám-plaa-wǎan]マムゥーワン ナムプラー ワーン

 エピソード5では、タイ人が見れば、酸っぱさを想像して思わず唾液がでるシーンが登場します。この食べ物の名は「มะม่วงน้ำปลาหวาน[ma-mûaŋ nám-plaa-wǎan]マムゥーワン ナムプラー ワーン」です。マムゥーワンとはマンゴーのことです。ナムプラー ワーンとはナムプラーとお砂糖などを混ぜたディップです。

 このシーンでは、ガラゲートがマムゥーワン ナムプラー ワーンを食べたくて、作ろうと言い出しましたが、昔の人はこの料理を知りませんでした。

 日本人がよく食べているマンゴーは黄色になり熟したものですが、タイでは、まだ熟していないマンゴーも甘い酸っぱいディップをつけて食べます。

 ディップにはいくつか種類がありますが、基本は砂糖と塩を混ぜます。果物を売る屋台でも入手できます。

 このシーンでナムプラー ワーンに入れようとした材料は、ココナッツシュガー、ナムプラー、赤玉ねぎ、乾燥唐辛子、桜海老です(ドラマの中では、桜海老の代わりに乾燥魚が使われました)。

 マンゴーの切り方にも注目!昔の貴族はカービングしてから食べますが、現代人のガラゲートは薄くスライスしてから食べます。

แกงบวดฟักทอง[kɛɛŋ-bùat fák-thɔɔŋ]ゲェーン ブゥーワ ファッ(ク)トォーン

 最後に紹介したい品は「แกงบวดฟักทอง[kɛɛŋ-bùat fák-thɔɔŋ]ゲェーン ブゥーワ ファッ(ク)トォーン」です。ゲェーン ブゥーワは、かぼちゃ、里芋、紫芋などを砂糖とココナッツミルクと一緒に煮るデサートです。このドラマの中では、かぼちゃを使っています。作り方も簡単なので、このデザートを作ってみましょう。

ゲェーン ブゥーワ ファッ(ク)トォーン
▲ แกงบวดฟักทอง  [kɛɛŋ-bùat fák-thɔɔŋ]  ゲェーン ブゥーワ ファッ(ク)トォーン

▼ゲェーン ブゥーワ ファッ(ク)トォーンのレシピ 2人前

【材料】
1.かぼちゃ一口切 300グラムぐらい
2.ココナッツミルク 240ml
3.ココナッツシュガー 大さじ2(なければ普通の砂糖)
4.塩 一つまみ

【作り方】
1.鍋にココナッツミルクとお砂糖を入れ、火をつける。
2.お砂糖が溶けたら、かぼちゃを入れる。
3.かぼちゃが柔らかくなったら、火を消す。(ココナッツミルクの油が分離さないように弱火で沸騰過ぎないようにします)
4.塩を一つまみ入れて味をみる。(温かくても、冷めても美味しいです)

続く


記事を書いた人:難波江ティチャー
タイの大学では、経営学専攻日本語副専攻、タイ語講師になるためのタイ語教育学専攻、日本の大学院では、経営学マーケティング観光経営専攻。現在は母であり優しいタイ語の先生です。ベレ出版から著書『[音声DL付]みっちり学ぶ初級タイ語』好評発売中!

学びたい人応援マガジン『まなマガ』

ベレ出版の新刊情報だけでなく、
「学び」に役立つさまざまな情報を月2回お届けします。

登録はこちら

ベレ出版公式SNS

週間ランキング情報やおすすめ書籍、書店様情報など
お知らせしています。ベレ出版マスコット犬「なみへいさん」の
LINEスタンプが登場!