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CD BOOK ネイティブの感覚でもっともっと前置詞が使える
ロス典子

写真:CD BOOK ネイティブの感覚でもっともっと前置詞が使える

 英語で話せる、書けるようになるには?

 まず、単語を覚えましょう。
 例えば3つの単語を覚えたら、単語と単語をつなげて英語のルールに従って文を作ってみてください。
 I(わたし) go(行く) school(学校)は、I go to school.のように単語と単語をつなげるための前置詞toが必要になります。

 このように英語では前置詞(一部の副詞を含む)が非常に大きな役割を担っています。
 よく使われる前置詞は60ほどあります。しかし60の前置詞を覚えたとしても、その時々にどの前置詞を選んでよいのかを知らないと実際の状況に応じて使えません。どのことばを選んだらよいかの基準(クライテリア)が必要になります。

 私は前置詞について理解していたつもりでしたが、実際の状況に応じてうまく使えないという経験をしてきました。そこで子どもになったつもりで、日本語訳や説明などをいったん手放して、自分で一から前置詞のクライテリアを発見することにしたのです。

 まず英語の好きな仲間と一緒に前置詞を含んださまざまな英文例を集め、その英文例が表すイメージを、イラストレーターに絵で表現してもらいました。
 例えば私がonを使う場面だと思い、イラストレーターに指示した絵をネイティブスピーカーに見せると、inを使った英文になることがありました。そこで再度、イラストレーターにonを使う場面となるように絵を描き直してもらい、またネイティブのチェック。描いてはネイティブがチェックをし、違っていればまた描き直すという作業が何度も何度も続き、シリーズ3部作を通してイラストレーターが描いた絵は何千枚もの量となりました。
 このような作業を通して、前置詞のクライテリアは「イメージである」ということに気づいたのです。

 絵の数が増えるにつれて、前置詞のイメージがだんだんと明確になり、核となるイメージ(コアイメージ)が前置詞を選ぶためのクライテリアだと確信できるようになりました。コアイメージが明確になると、60の前置詞のそれぞれの役割もわかってきました。そしてコアイメージを洞察しやすいように、仲間たちと絵の並べ方を工夫する作業に取り組んでいきました。

 場面や状況を表す絵からはいろいろな発見ができます。このコラムを書いている現在でも、それぞれの前置詞のイメージがさらに明確になっていき、新しい発見をし続けています。私が発見できたことをことばで説明するのではなく、私と同じような体験を英語学習者の方々にもぜひ体験していただきたいと思い、シリーズ3部作を制作しました。たくさんの絵を見て、自分でコアイメージを洞察し、クライテリアを身につけ、自分のものにしていただきたいと心より願っています。

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