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  • 著者のコラム

80パターンで話せる中国語会話
味園由美

写真:80パターンで話せる中国語会話

 皆さんは横綱朝青龍の日本語を聞いたことがありますか。彼は他の外国人力士に比べるととても日本語が上手です。ある日、アナウンサーが彼にインタビューしていました。「日本語が大変お上手ですね。どうやって勉強されたのですか。」彼は次のように答えていました。「新しいことばを覚えたら、いつもどこかで使ってみようと思って、チャンスがあれば使っています。」これこそが会話上達のコツなのかも知れません。
 20年前私が初めて中国語に出会った頃は、中国語の本も少なく、書店には会話の本が少し置いてあっただけでした。私と友人は、研究者として大学に来られた50過ぎの先生に中国語を教えてもらうために、中国語会話の本を1冊購入しました。先生は熱心に私達に中国語を教え、時には歌や中国の様子なども話してくださいました。私達も日本のことを話し、2月14日にはバレンタインデーがどんな日かを説明し、チョコをプレゼントしました。ちょっといたずらっぽい顔で「奥さんには内緒にしてくださいね。」と言うと、まじめな顔で「いえ、私達夫婦に隠し事はありません。」と言いながらもうれしそうにチョコを持って帰られました。ちなみに、バレンタインデーは中国語で(チンレンヂエ)と言います。
 私達が初めて買った中国語の本は、発音、キーワード、場面別会話の三部構成のものでした。発音を練習しながら、キーワードで重要な単語の使い方を習い、日常会話へと進みました。会話の他に、毎週作文を書いて間違いを直してもらったり、短い童話をテープに吹き込んでもらってディクテーションの練習をしたりしました。中国人の先生なので、発音もその都度直され、実践的で、学校で習った英語よりははるかに充実していました。しかし、そのうち自分の言いたいことを言うのに会話の丸暗記だけでは限界を感じるようになりました。今回出版させていただいた「80パターンで話せる中国語会話」は、その当時こんな本があれば良いなと思っていたことに基づいて書いた本です。文の組み立て方を「しくみ」で理解し、パターンを使った表現をCDを真似て声を出して練習してください。一つのパターンを覚えたら単語を変えていろいろな文を作ってみましょう。パターンでの学習は短時間で効率的な学習法です。
 ことばは1回記憶しても、数日、数ヶ月経つと記憶が薄らぎ忘れてしまうこともあります。暗記していたことを何回も読んだり使ったりしていくうちに、ある日脳の違う場所に記憶され忘れないということを聞いたことがあります。毎日中国語を聞き、声に出して読み、実際に使ってみることによって会話力もついてきます。
 最後に、先生がいつも口癖のように言われていたのは、「なぜ中国語を勉強するのですか?目的を持って勉強しなければ上達しませんよ。」ということばです。旅行でも、留学でも、仕事でも、何か目的を持って勉強すると早く上達するでしょう。皆様の中国語の上達をお祈りします。

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