2008.06.11 著者のコラム 歴史が創られた瞬間のアメリカ大統領の英語西川秀和 私はアメリカ大統領の演説を研究しています。主に演説がどのような背景で行われたのか、またはどのような過程で作成されたのかを調べています。「面白い研究分野ですね」とよく人から言われます。そして、「なぜアメリカ大統領を研究対象に選んだのですか」と聞かれます。 私の答えはいつも決まっています。「アメリカ大統領の言葉こそ世界中で最も多くの人々を動かす言葉だからです」と答えます。 アメリカ大統領の演説は、アメリカ国民のみならず、時には全世界の人々に対しても向けられています。リンカーンは、かの有名なゲティスバーグ演説で「ここで私たちが言うことには世界はほとんど注目もしないし、記憶に長くとどめることもないでしょう」と言いました。しかし、リンカーンが、フランクリン・ルーズベルトが、ケネディが語った言葉は今、なお人々の記憶に残っています。 それはアメリカ大統領の演説が力ある言葉だからです。またその背後には大統領の熱い思いがこもっているからです。スピーチライターの並外れた研鑽があるからです。 本書を書こうと思ったきっかけは、大統領演説のリスニングCDを聞いた人の「演説を聞いてみても歴史的な背景が分からないからあまり面白くない」という声でした。 リンカーンの演説がいくら素晴らしくても、その演説が行われた当時の状況が分からないと魅力が半減してしまいます。その当時の人々と同じ感覚で演説を聞くには、時代背景を知る必要があると思いました。そのため本書では時代背景をまず説明しています。演説の良さをじっくり味わうためには是非とも必要だからです。 本書を読了後に、歴史の節目節目で歴代アメリカ大統領はこんなことを語ってきたんだと感心していただければ幸いです。 関連書籍 歴史が創られた瞬間のアメリカ大統領の英語 CD BOOK 歴史的瞬間の英語が味わえる! 西川秀和英会話・表現集 リスニング・発音