2011.09.06 著者のコラム 「なぜ」がわかる動詞+前置詞中川右也 土屋知洋 「ネイティブのように英語が自由に使えたらいいのになあ」。英語を学ぶ方なら誰しも一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。学校で英語の授業を受け、社会人になってから使える英語を身につけようとしても、なかなか上達しません。一体なぜでしょうか。 英語が話せないのは、自分が表現したいことを英語にできないから、つまり語彙が不足しているからと考えがちです。しかし、本当に知っている語彙が少ないから話せないのでしょうか?例えば「立候補する」、「(議会などが)解散する」を表す英単語がすぐに頭に浮かんでこない方でも、runやbreakといった単語は知っていると思います。実はそれぞれrun for、break upという基本単語を組み合わせるだけで表現できるのです。動詞+前置詞(副詞)、つまり句動詞をマスターすること、これが短期間で英語を話せるようになるための秘訣なのです。句動詞の素晴らしさは、基本単語を組み合わせるだけで難しい意味も表現でき、しかも1つの句動詞で複数の意味を表現することができる点にあります。しかし、句動詞を覚えるのは大変だと感じられた方もいらっしゃるかと思います。それは、「なぜそのような意味になるのか」を納得できなかったからではないでしょうか?本書は、イラストを見てイメージしながら、「“なぜ”そのような意味になるのか」を納得し、楽しく覚えられるよう工夫されています。 さらに、学習者がネイティブ級に英語を使いこなそうとする上で重要な語法の情報(【語法のポイント】)や英語への興味をかき立てるような語源・英米差などの雑学(【知っトク!!】)も用例に関連した形で本書の至る所にちりばめられています。例えば、「〜に参加する」としてまとめて覚える傾向にあるjoin〜とtake part in〜は常に交換可能なのでしょうか?また、よく「ナンバー・数」をNo.と省略しますが、numberという英語自体にはoの綴りはないのに、なぜNo.となるのでしょうか?このように、本書は実践で即使える句動詞表現と日本人の苦手とする前置詞・副詞の感覚を学ぶだけでなく、ネイティブと同じような語彙選択、つまり、ネイティブのように英語を使いこなせる力をも楽しみながら身につけることができる構成になっているのです。是非、本書を最大限生かし、実践で“使える”英語力を養って頂きたいと願っています。 関連書籍 「なぜ」がわかる動詞+前置詞 前置詞・副詞のイメージをおさえれば、使えるイディオムが飛躍的に増える。 中川右也、土屋知洋英文法