2014.09.01 編集部コラム 「エア本」をパラパラします 本に使われている本文用紙の(製品としての)一枚の大きさをご存知でしょうか? 弊社の本は、ほとんどが「四六判」、「A5判」という大きさの2種類ですが、それぞれの大きさは、四六判が1091×788mm、A5判が625×880mmです。いかがでしょう。本の形になると想像しにくいのですが、けっこうベロ~ンと大きいんです。 たとえば、四六判256ページの本に使う用紙の枚数は(たったの?)4枚です。片面に32ページ、もう片面に32ページ。つまり、一枚の紙に両面で64ページ分を印刷します。そしてそれらを切ったり折ったりして束ねて製本すると、256ページの一冊の本になるのです。 本づくりをする際に、編集者はその本文に使う紙を選びます。その本は何をテーマにしているのか。内容のレベルはどれくらいで、誰に、どこで、どんなふうに読んでもらいたいのか。いろいろと頭の中でイメージしながら「エア本」を手に取り、パラパラとめくってみます。よし、今回はこんな感じの紙を使おう!と方針が定まると、メーカーさんの見本帖を見ながら検討します。色味、厚さ、手触り、しなやかさなど、各メーカーさんの各銘柄によって違うものの中からこれぞ!というものを選びます。同じ「クリーム色」でも、同じ「白」でも、見比べてみるとそれぞれに特徴があり、ぜんぜん違うのです。カバーの用紙もそれは素敵な紙の銘柄がたくさんあるのですが、これを選ぶのは基本的にはデザイナーさんの仕事。本文の用紙を選ぶのは、弊社では編集者の特権です。電車の中で「エア本」をめくっている瞬間は、ちょっとわくわくするひとときです。 バンドウ