2022.09.27 編集部コラム 夏季オリンピック翌年の、冬季開催のサッカーワールドカップ…… 実感がわきません(8月のお盆現在)。このベレベレ通信が書店さんに届く10月の翌月からサッカーのFIFAワールドカップ(以下W杯)が、カタールで開催されます(はずです)。 私が初めてW杯に触れたのは1986年のメキシコ大会でした。マラドーナによるマラドーナのためのW杯として伝説となった大会でした。そこからも4年おきに開催される大会ではそれぞれにドラマが生み出され続けました(ブラジルが地元大会でドイツに1対7で敗れるとか!)。そんなW杯を開催の前年からまだかまだかと待ち望むのが恒例のことでした。なのに今年は開催2か月前になってもいまだ実感がわかないのです。 世界では様々な問題が起こり、夏季オリンピックは一年遅れ、無観客となり、様々な想いとともに私の中のW杯待ち望みサイクルは狂わされました。2002年に日本代表が地元大会で勝利したロシア代表は、2022年カタールW杯予選のプレーオフに参加することが許されませんでした。2006年のW杯でウクライナ代表チームをFWとして史上初のベスト8に導いた英雄シェフチェンコは「サッカーどころではない」と一度は絶望したものの「サッカーは私の声を世界に届けてくれる強力な武器だ」と述べるに至りました。 その気候により史上初の冬季大会となったカタールW杯は、私の気分など関係なく無事に盛り上がっていくのかもしれません。その時、シェフチェンコは、そしてロシアの代表選手たちはどんな気持ちでその大会を受けとめることになるのでしょうか。もし無事に開催されるのであれば、その時の状況がどうであれ、選手たちの熱いプレーによって、世界の問題に対して、世界で苦しんでいる人々に対して、メッセージを送れるような大会になってほしいと思います。 バンドウ