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  • 著者のコラム

英会話学習に行き詰ってしまっている⼈にぜひ活用してほしい、TOEIC® S&Wはこんなテスト!#1

著者 富岡恵(英語パーソナルトレーナー・⽂筆家・講師)

第1回:TOEIC® S&Wってどんなテスト?−テストの基本情報と雑感

みなさま、お久しぶりです!2020年に執筆した「英語の上達が早い⼈の7つの特徴」に続いて2度⽬の登場、英語パーソナルトレーナー・⽂筆家・講師の富岡恵です。

今年2⽉にベレ出版から『ビギナーのためのTOEIC® L&R テスト全パートチャレンジ!』を刊⾏しました。このL&Rテスト、つまりListeningとReadingのテストはかなり⾼い知名度で、幅広い世代の⽅が受験する資格試験です。「まだ受験したことはない」という⽅でもTOEICという⽂字はどこかで⽬にしたことがあるはず。

そんなL&Rに姉妹版のテストがあるのはご存知でしょうか。

S&Wテスト、つまりSpeakingとWritingのテストです。L&Rテストと⽐べるとまだ少ないですが、⼤学編⼊や就職・転職・昇進などで英語運⽤能⼒の基準として採⽤されてきています。特に「話す」「書く」というアウトプットが不可⽋な学科や企業では、L&Rテストとともに採⽤基準に設定されています。

そしてこのS&Wテスト、「差し迫った資格証明の必要がないわ」という場合でも、英語学習教材として使ってみるとなかなか栄養価が⾼く、「使える英語」を鍛えるのにもってこい!

評価の基準は、スピーキングの場合、発⾳・イントネーション・アクセント・⽂法・語彙・⼀貫性・内容の妥当性や完成度となっていて、あなたの英語が「通じる英語」かどうかを客観的に⾒極めてくれます

特に「英会話をやってみたけど行き詰ってしまった・・・」「ビジネス英⽂を書く練習がしたい!」という⽅には、有効な突破⼝になるかもしれません。なんとなーく上達した(のかな?)という漠然とした体感よりも「〇〇点突破!」「⾃⼰ベスト更新!」という⽬標&達成感があると、モチベーションが上がる学習者もたくさんいるはずです(かくいう私もそのひとり)。

ということで今⽉の連載では、受験体験談やオススメの勉強法を交えながらTOEIC® S&Wテストを4回にわたって解説します!S&W受験を考えている方の参考になればうれしいです。

ー本連載の流れー
①TOEIC® S&Wって?−テスト概要と雑感
②受験体験記その1−英語オタクMeglish編
③受験体験記その2−⼤学⽣Kちゃん編
④TOEIC® S&Wを受けるメリットとオススメ勉強法

第1回⽬の今回はTOEIC® S&W とはどんなテストなのか、テストの概要と筆者の雑感をお伝えします。

まずはテスト情報と問題の種類。ざっとまとめるとこんな感じです。

【S&W テスト情報】

・開催⽇:⽉1回 午前/午後(2022年度現在、各主要都市にて。隔⽉開催の場合も)
・会場:⼤学やテストセンターなどのパソコン室(都道府県によってさまざま)
・受験料:10,450円(税込み)
・受験時間:Speaking 約20分+Writing約60分
・持ち物:写真付き本⼈確認書類+マスク(全てパソコンで⾏う試験なので筆記⽤具は不要)
・結果:受験⽇から17⽇後オンラインでスコア発表。30⽇以内にOfficial Score Certificate(公式認定証)が郵送される。
・評価:Speaking Level 1から8(スコア0〜200)、Writing Level 1から9(スコア0〜200)
※スコア⽬安としては、L&R 600の方なら  S&W 230程度です
参考:https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/sw/pdf/score_comparison_list.pdf

※受験申込⼿続きや、さらなる詳細確認は公式サイトでどうぞ。

【S&W 問題の種類】

Speaking: 6種類  計11問  約20分
ヘッドセットについたマイクでパソコン画⾯を⾒ながら制限時間内に準備&録⾳します。
Q.1-2:⾳読
Q.3-4:写真描写
Q.5-7:インタビューへの応答
Q.8-10:情報を⾒ながら応答
Q.11:意⾒

Writing: 3種類  計8問   約60分

制限時間内にパソコン画⾯上に⽂字を打ち込みます。
Q.1-5:写真描写
Q.6-7:Eメール
Q.8:意⾒

オンラインでの仕事が定着してきたので、まさにこのようなS&Wの受験スタイルで英語を話したり書いたりする場⾯がこれからますます増えそうですよね。

これだけの出題項⽬がありながら試験時間が全部で1時間半というコンパクトさ!スピーキングのみの受験も可能なのですが、その場合はYouTubeの動画並みの時間で気軽に受験できます。

そして、L&Rテストより受験料は少々⾼めですが、今の実⼒が客観的に審査されて、資格証明も得られることを考えると、そこまで⾼額ということではないかも。英検、TOEFL、IELTSなど他の資格試験と⽐べるとさらにそう思います。「スコアが〇〇までに必要!」という場合でなければ、”英語の定期健康診断”として半年に1度とか年に1度とかでチェックしてみるのもいいですね。

【L&Rの問題との共通点やS&Wならではの特徴】

S&Wで出題される問題は、「あれ?これL&Rと似てない?」というものが多数!

Speaking
Q.1-2:音読 → L&R Part4
Q.3-4:写真描写 → L&R Part1
Q.5-7:インタビューへの応答  → L&R Part2
Q.8-10:情報をみながら応答 → L&R Part3・4グラフィック問題

Writing
Q.1-5:写真描写 → L&R Part1
Q.6-7:Eメール → L&R Part6・7

L&R Part5で問われる⽂法と語彙は全般的に使えます。ということで、S&Wを受ける前にL&Rに取り組んでおくと、L&Rで学んだことがしっかり活かせます。インプットで「聞く」「読む」を強化してから、アウトプットの「話す」「書く」につなげていくのは⾔語学習の上で理に適った流れです。L&Rと併せてS&Wに取り組むことで、より定着しやすく、効率的に実践⼒がつきます!

L&Rと⼤きく違うのは「答えの⾃由度が⾼い」ということ。公式テキストや参考書には「模範解答」は載っていますが、あくまで⽬安。どの問題の解答も⼗⼈⼗⾊。特に「意⾒」問題では根拠や具体例がしっかりしていれば、どんな意⾒であっても試験官は「うむ」と頷いてくれるはず。受験者それぞれが⾃由に発⾔や記述を組み⽴てられるというのは、「正解はこれしかない」というL&Rよりも、のびのびとした気持ちで取り組めます(筆者の感想です)!

ま、もちろんその分、⾃分が⾔いやすい、書きやすい表現や「型」を決めておくのが⾮常に⼤事になってくるのですが、このあたりはまた次回。⾃称・英語オタクのわたくしの受験体験をもとにご説明します。申し込みから具体的なトレーニング、受験当⽇の様⼦、結果までもれなくお伝えしますので、どうぞお楽しみに!
See you next week!

P.S.
この記事を読んで「ちょっと興味あり!」と思った⽅は公式サイトのサンプル問題をどうぞ。本番の画⾯で体験できます。


記事を書いた人:富岡恵(とみおか めぐみ)
英語パーソナルトレーナー・講師・文筆家。東京外国語大学英語専攻卒。個人レッスンや大学などでの講義、執筆活動を通して、自分に合うやり方で楽しく取り組む学びを推進している。学び方が分かる「3S分析®」を開発し、各地で「英語の楽しみ方・学び方セミナー」を開催中。著書に『TOEICテスト書きこみノート』シリーズ、『高校英文法をひとつひとつわかりやすく。』、『しゃべり「型」英文法』(以上、学研プラス)、『寝ながら学べる英文法』、『マンガと語呂で一発暗記! ゴロゴロ英単語』、『[音声DL付]ビギナーのためのTOEIC L&R テスト全パートチャレンジ!』(以上、ベレ出版)などがある。英検1級・TOEIC® L&Rテスト満点取得。カフェ巡りが日課で、毎日楽しいことをしてメガネを輝かせている。
公式サイト:https://meglish.jp

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