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  • 著者のコラム

英会話学習に行き詰ってしまっている⼈にぜひ活用してほしい、TOEIC® S&Wはこんなテスト!#2

著者 富岡恵(英語パーソナルトレーナー・⽂筆家・講師)

第2回:受験体験記その1 −英語オタクMeglish編

第2回は、私Meglishこと富岡恵の受験体験記をお届けします。自称・英語オタクの申し込みから具体的なトレーニング、受験当日の様子、結果まで、あれこれお伝えします

〆切ギリギリの申し込み

さて、今年はどの健康診断を受けようかな?

年始にメガネを磨きながら考えた私。ここでいう「健康診断」とは英語力の健康診断、つまり資格試験のこと。ずっと日本で学び続ける身として、資格試験をこのように利用しております。「5年ぶりにTOEIC®︎S&Wにしよう!」と決めてから、まず考えたのは受験する季節。真夏と真冬は、寒い、暑いの体調管理が難しいので、春か秋が狙い目。体調が万全でないと集中力も落ちますからね、絶好のコンディションで臨みたいところ!暖かさが感じられる3月に入って、公式サイトで日程をチェック。自宅から一番行きやすい会場が申し込めました。日程や会場によって、すぐに満席になってしまう場合があるので、ラッキー!それも受付最終日。ということで私のメガネは光ります。「ここだ!」瞬時にクリック、申込完了。

次に取り掛かったのは、本番までのトレーニングメニューづくりです、腕まくり。

本番までの毎日トレーニングのメニューの作り方

仕事をしながらのスキマ時間でのトレーニング。本番まで約2週間あったので、スケジュールを確認しながら、無理のない範囲でできる内容を書き出していきます。自分にとってどのくらいが「無理のない」ところなのかをしっかり考えてみるってとても大事です。「1日3時間!」とか高めの理想を掲げてしまうと、最初はできても、徐々に息切れ。「あーあ、やらなきゃ」「ちぇっ、できなかった」というネガティブな感情にならないで、ポジティブでいられることが、言語学習で最も大事な「継続」の鍵です。ということで、今の私の「無理のない範囲」は1日合計30分。その時間でできることを設定します。

学習計画メモ
▲スケジュールと学習計画を書き出したメモ。1日1テーマに集中するのも効果的。
詰め込み過ぎは厳禁です。

SpeakingもWritingもまずは、試験内容の全体像を把握することから始めます。受験経験があるとはいえ、出題内容に変更はないかな、と調べると変更ありました!Speakingで最も難しいと感じていた「問題解決」の課題がなくなってる(やったー)!

ざっと一目で分かるように、A4のレポート用紙1ページに日にち・トレーニング内容・気づいたことをメモ。こうすることで本番直前に確認しやすくなりますし、「これだけトレーニングしてきたぞ」という自信になります。本番はいつだって緊張するので、こういうメンタルケアが必須です。

トレーニング内容メモ
▲A4一枚にまとめるのがポイント!一目でスケジュールと学習内容を確認でき、
進捗をいつでも把握することができます。

青がトレーニング内容赤がSpeakingでの気づきや使いたいフレーズ緑はWritingに関するメモです。

具体的な問題については、手元にあった教材で傾向分析をしつつ、自分ならどう答えられるか実践練習をしていきます。

問題集
▲必要なページだけ切り取りました。

外出先のスキマ時間にもトレーニングしたかったので、このように軽量化。荷物が重たくなるのも苦手なので、そういうところも最適化。写メもたくさんして、移動中でもさっと見られるようにしておきました。学習環境にまつわる全てが自分にとって心地よくなるように整えていくのも、「継続」の鍵です

Speakingトレーニング方法

さまざまな問題に慣れながら、自分が言いやすい「型」も作っていきます
例えば、Speakingの写真描写問題であれば、まず「場所」、そして「人描写」という流れで。

例)This picture is taken in a park.
  The man in the middle wearing a blue shirt is playing basketball.

どんな写真が出題されても、この順で話す!と決めたら、ぐっと言いやすくなりました

Speakingでは「録音→確認→修正練習」も必要だと感じたので、スマホのボイスメモを大活用。最初は自分の声を聞くのに抵抗があるかもしれませんが、やっているうちに慣れます。自分が思っているより声が小さかったり、抑揚が足りなかったりするので、非常に大事なプロセスなのです

てくてく外を歩きながら、ひとり英語を話してみたりもしました。マスクしながらの小さい声でも音をうまく拾ってくれる文明の利器(マイク付きイヤホン)に感謝。街中でイヤホンを付けて歩きながらスマホで通話する人も増えてきて、Speaking練習にはいい時代になりましたねぇ(英語学習オタク目線)。テスト本番は、周りに人がいて、マスクを着用した状態での発話なので、この歩きながら発話練習はとてもいいリハーサルになりました

これに加えて、お風呂唱え練習もしました。声が響いていいんですよねー。シャワーの水の音に負けないように発声するので、これまたいい練習になるのです。特に練習したのは「意見」問題お題を見てから30秒考えて、60秒話すというスタイルなので、お風呂に入る直前にお題を見て、いざ発声練習 in お風呂。すらっと言える時もあれば、言葉が出てこない時もありますね。うまく出てこないときには、まず日本語でやってみます。考えが出てきたところで、英語でトライ湯上がりに元気があったら、考えた文章をノートに書き出してみたりします。この練習も本番のときに効果を発揮しました。

さらにSpeaking教材として、オススメなのがこのアプリ。韓国のTOEICエージェントYBMが無料で提供しているアプリです。「YBM  TOEIC Speaking」で検索してみてください。

YBM  TOEIC Speaking
https://www.toeicswt.co.kr/event/app/01.php

説明は韓国語ですが、テスト自体は英語ですし、韓国語がわからなくても大丈夫。なんとサンプルテストが10パターンも入っているので便利です。見た目(表示)も本番そっくり

私は「意見」問題のお題を入浴前にこのアプリで見て、答えをお風呂の中で唱えて練習しておりました

Writingトレーニング方法

Writingはキーボードの早打ち練習からPCのテキストメモを開いて、教材に載っていた模範解答をとにかく間違えないように、でも素早くタイピング。指の筋肉を鍛えます。その後、制限時間を測りながら、練習問題にトライスペリング・文法・言い回しなどの正確さが決め手になるので、書き終わったらすかさずGrammarlyとGoogle翻訳でチェック。書いた英文をそれぞれのサイトにコピペして、Grammarlyではスペリングや文法のミスがないか、Google翻訳では想定通りの日本語になるかを確かめます。自習がはかどるサービスが増えてきて、なんといい時代!

Grammarly  https://app.grammarly.com/

Google翻訳  https://translate.google.com/

Writingで最後に出題される「意見」問題では、Speakingの練習も活きてきます。ただし、Speakingと違って、Writingでは主張の根拠をめちゃくちゃ具体的に書く必要があるので(推奨語数が最低300語!)、できるだけ長く細かく書く練習が大事です。普段から経済・環境・テクノロジー・教育など、よく出題されるテーマについて、テレビやネットのニュースで日本語でも英語でも「ネタ拾い」をしておくと、発想が広がりやすく、かつ語彙も増やせるのでオススメです。使えそうなワードはメモしておきましょう!

ドキドキワクワク受験当日

いろんなトレーニングを重ねて、いよいよ受験当日を迎えます。前日は体力温存のためいつもより早く就寝。当日はしっかり目を覚ましてから臨みたかったので、午後の部にしました。テスト開始の1時間前にカフェでコーヒー飲んで、テスト会場の前ではチョコぱくり(筆者おきまりのルーティンです)。

試験会場入口
▲試験会場の入り口でパシャリ。行ってきます。

会場には一番乗りで入りました(気合いの表れ)。受付を済ませると、ウェブカメラでの顔写真撮影があります。その後、着席パーテーションで仕切られてはいますが、複数の受験者が同じ部屋で受験します。受付を済ませた順に、それぞれの受験者が自分のタイミングでテストをスタートさせます。着席の瞬間は、まさにジェットコースターに乗るときのドキドキ感。L&Rと違ってメモ取りOKで、メモ用紙とペンを渡されるのですが結局使いませんでした。練習時に「この準備時間では書いているヒマはないな」と感じていたので。

あとは、練習してきた通り、あっという間にSpeakingが終了。心がけたのは、とにかく大袈裟に話すこと。周りの人の声も気になるのですが、自分に集中!PC画面の前で手も動かしながら、画面の向こうに友達がいる気持ちで発話しました。

そして、休憩なしでWritingへ。手をグーパーしてから、いざタイピング。まずは写真問題、というところで致命的なミス!写真問題は5問なのですが、4問しか書いた記憶がないのです...4問書いた段階でなぜか問題をさかのぼって見直しを始めてしまったのです(たぶん)。ちょっとテンパってたんですね。あんなにイメトレも、練習もしたのになー(涙)思いもよらぬことが起きる、それが本番なのですね。

「終わったー!」という独特の達成感と、一抹のしょんぼりを抱えながらの帰り道。気を取り直してこれまた恒例のご褒美スイーツを食べて、今回の受験終了です。

予想外の結果発表

本番から17日後、ネットでのスコア発表の日です。
ドキドキしつつ、サイトを開いてみると…

スコア

おおおおーーー!なんとSpeakingが200点満点です。やりましたー!!5年前の180からの自己ベスト更新。お風呂唱えと録音練習が効いたな、こりゃ。

Writingは前回と同じ170点。写真問題を1問抜かしたのが響いたな、こりゃ(たぶん)。
どの問題をしくじったのか、という細かいところが分からないのは、L&Rテスト同様。おそらく文法や表現のミスもあったと思われます。

そして受験から1ヶ月後に届いた公式証明書はこちらです。

公式証明書

レベル別に、できているところと弱点が記載されています。個人的には、Speakingの「演劇風身振り手振り大げさ発話」が功を奏したのか、発音とイントネーションが共にHIGHとなったのもうれしかったです。やってみてよかったー。

▼公式の評価に関するページは以下です。

とはいえ、Speakingでは言いよどみも変な間もあったので、まさか満点がとれるとは!予想外でしたが、とてもうれしい結果となりました。Writingは「問題を飛ばさないように。そしてさらに精度を上げるべく精進するように!」というメッセージですね、しかと受け取りました。英語学習に終わりなし。楽しくやろう、道は続くよ。

ということで、以上が私の受験体験記です。細かめかつ長めのレポにお付き合いいただきありがとうございました!次回は、私の個人レッスンの教え子、大学生Kちゃんの受験体験記をお届けします。L&RテストからS&Wテスト受験にいたる約1年でどのように英語力をアップさせたのか、実体験をもとにレポートします

See you next week!


記事を書いた人:富岡恵(とみおか めぐみ)
英語パーソナルトレーナー・講師・文筆家。東京外国語大学英語専攻卒。個人レッスンや大学などでの講義、執筆活動を通して、自分に合うやり方で楽しく取り組む学びを推進している。学び方が分かる「3S分析®」を開発し、各地で「英語の楽しみ方・学び方セミナー」を開催中。著書に『TOEICテスト書きこみノート』シリーズ、『高校英文法をひとつひとつわかりやすく。』、『しゃべり「型」英文法』(以上、学研プラス)、『寝ながら学べる英文法』、『マンガと語呂で一発暗記! ゴロゴロ英単語』、『[音声DL付]ビギナーのためのTOEIC L&R テスト全パートチャレンジ!』(以上、ベレ出版)などがある。英検1級・TOEIC® L&Rテスト満点取得。カフェ巡りが日課で、毎日楽しいことをしてメガネを輝かせている。
公式サイト:https://meglish.jp

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