2020.03.10 社長コラム 1月末恒例、実地棚卸しの季節です(後編) 前回に引き続き、今回も棚卸しに関連した話です。 まずは在庫のお話をします。当社の場合、在庫を「製品在庫」と「返品在庫」という2つの種類に分類しています。多くの出版社では、取引先の書店さん(小売店)や取次さん(卸会社)に対して返品が可能という条件で出荷をしています。出版社に返品された本は、傷みがなければ改装(きれいにする処理)を行います。カバーを交換し、本の周囲を研磨して汚れを落とします。ピカピカにされたら、改めて出荷が可能になります。 未出荷もしくは改装済みで、出荷できる状態の本は「製品在庫」、返品されてまだ改装されていない本が「返品在庫」です。 再出荷が可能といっても、売れ行きが今一つの本の場合、返品されたまま注文がなく、日の目を見ないということもしばしば、というか、よくあることです。自分たちで棚卸しをする理由の一つが、「返品在庫の量を、実際に目の当たりにする」ということです。返品の数は、倉庫に行かなくてもデータで見られますが、数字だけでなく、倉庫に積みあがった本を実際に見ることで「これだけの本が返品された」ということがより実感されます。発売前には「きっと売れる、喜ばれる」と信じた本が返品されて倉庫に積みあがった姿を見ると、作り手としては、やはりショックで悔しい気持ちになります。その気持ちを、今後、もっと売れる新刊を作るためのモチベーションにしていこう、というのが目的です。 今年も、(残念ながら)結構な返品在庫を目にしましたので社員一同、その姿をしっかと目に焼き付け、逆襲に向けて気持ちを高めたのでした。ちくしょー!!今期こそは、悔しくない棚卸しを目指してがんばります。