2021.09.14 社長コラム ベレ出版の本は結構アツい 新刊が出たときに、わりとよく思います。「またアツい本、出しちゃったな」と。「熱い」本ではありません。……いや、熱くないわけではないですよ。著者と編集者の熱量は、存分に注ぎ込まれています。 そうではなくて、「厚い」本が多いのです。どれくらいのページ数の本を「厚い」と思うかは人それぞれですが個人的には、400ページを超えると「厚い」と感じます。これまでベレ出版で出した本では、約5割が300ページを超え、400ページを超える本も1割強あります。辞典や図鑑、高額な学術書を発行していない出版社としては、この割合は比較的高い方だろうと思います。 ベレ出版の本が厚くなりがちなのには理由があります。多くの出版社では、本の企画をする際に、読者対象や購買動機を考え、だいたいの価格帯を設定し、そこから逆算しておおよそのページ数を決めていると思います。ベレ出版でも事前にページ数の想定はしますが、企画が進行している中で、ページ数が予定を超過した際には「読者にとって有益であれば絶対にページを削らない」という方針を採っています。 そうなると、価格も上げざるを得ないのですが、「内容が充実すれば、価格を上げても読者は喜んでくださる」と考えています。そのため、当初計画よりもページ数が増えることが頻繁にあります。また、企画会議においても、価格より内容の充実度が重視され、「価格が高い」という理由だけで却下されることはありませんから、「分厚くて値段が高めの本」が会議を通過しやすい気がします。 実は今、厚みがある学習本が「鈍器本」と呼ばれ、書店で人気を集めて話題になっています。分厚い本は、最後まで読み通すことが難しいものですが、STAY HOMEで時間に余裕ができて、挑戦する人が増えているそうです。ベレ出版の場合は元々、「枕になるくらい分厚い」という意味で、勝手に「枕本」と呼んだりもしていました。呼び方はともかく、読書の秋、学問の秋ということで、この秋は「アツい本」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。