2021.11.09 社長コラム 役に立たなくたっていいんだ ふだんあまりテレビドラマは見ないのですが、10月29日に完結したNHK朝ドラ『おかえりモネ』は1話から最終話まで“完走”しました。ヒロインが「地元の役に立ちたい」と気象予報士を志し、その頑張りと、周囲の人との関わりを描くドラマでした。ドラマの中で、キーワードとして「(誰かの)役に立ちたい」というセリフがよく登場します。その一方で、物語全体からは「何かの役に立たなければいけない、わけではない」というメッセージも感じさせる筋書きなのでした。 何の話をしようとしているかと言いますと、「この勉強して、何かの役に立つの?」「何の意味があるの?」という、しばしば提示される問いについてです。そう問われた場合は、「どのように役に立つか」であったり、「社会にどのように活かされているか」ということをどうにかこうにか、説明することになります。役に立つというのは、当然いいことに決まっており、学問の有用性を理解してもらうのは大切なことです。 しかし、そもそも、勉強をする理由は「学ぶ内容が何かの役に立つから」だけでしょうか。「役に立たなそうだけど、おもしろい」という勉強は、世の中にたくさんあります。「役に立つ勉強」を何ら否定するものではありませんが、「役に立たない勉強」もあっていい。 「役に立つか、立たないか」よりも先に、まずは「おもしろいか、おもしろくないか」だと思うわけです。「役に立つ学習書」も、たくさん作りたいのですが、「あまり役に立たなそうだけど、おもしろい学習書」もどんどん出版していきたいなぁと思う今日この頃です。 それはそれとして、『おかえりモネ』は感動的で、実におもしろかったです。次の『カムカムエヴリバディ』も楽しみです。