2018.01.26 編集部コラム 語学書の音声収録 語学書に付属している音声は、編集がスタジオを予約して、ナレーターを決めて、ミキサーの方と著者と一緒にプロデューサーみたいなことをして作っています。この収録、いろんな国の方の声が聴けるとても楽しいイベントなのですが、スムーズに進まずスタジオが重い空気になるなど、うまくいかないこともよく起こります。いままでの私の最長収録は1100分です。この本のときは、ナレーションは著者で英語も日本語も1人でこなし、1日がかりの収録を数か月にわたって何度も行ないました。本の半分ぐらいまでやっと進んだあたりで、先生から「突発性難聴になってしまったので収録に行けなくなった」との連絡が。病名をすぐにネットで調べてみると、原因の多くはストレス、とありました。収録のブースは小さくて、重く厚いドアでがっちりと閉じられてしまうので、ものすごい圧迫感があるそうです。そんな中で、原稿とナレーションの責任の両方を背負った先生に相当なストレスがかかってしまっていました。その収録では、休憩となるとスタジオ内のみんなで話が毎回盛り上がり、疲れているはずの先生が一番元気だったので、そんなことになるとは全く気づくことができませんでした。お医者さんから収録再開のお許しが出てからは、そろりそろりと進めて1100分の音声ができ上がりました。最近はmp3データ音声が増え、ネットからダウンロードできるようにもなり、長時間の音声を付属できるようになったために、以前はなかった不測の事態が起こることがあります。でも、収録は、問題なく録れるか毎回ドキドキしながらも、ナレーターさんの顔を見ながら生の音声が聴ける楽しい時間です。 ワタヒキ