2018.10.26 編集部コラム 著者との距離がぐーんと縮まった瞬間 地方在住の著者との打ち合わせはほとんどがメールか電話ですが、スタジオでの音声収録に立ち会ってもらうために東京に来てもらうことがたまにあります。先日は神戸から東京の竹橋にあるスタジオに来てもらいました。収録後、無事収録を終えた解放感も手伝って、電話の打ち合わせでは聞けない著者や著者のパートナーの趣味の話に発展しました。著者もご主人も楽器のリュートの音色が好きで趣味で弾いているそうです。「リュートって、あのゆで卵を二つに割ったような楽器で、ルネッサンスやバロック時代にかけてヨーロッパで愛好された楽器ですか?私が好きな作家星野博美もキリシタンの歴史を調べ、自分でもリュートの楽器を注文し、先生について習い、『みんな彗星を見ていたー私的キリシタン探訪記』という名著を書いたそうですよ」と夢中になって切り出すと、著者も著者のご主人もすでにこの本を読まれていて、それでリュートにはまったそうです。この本をきっかけに長崎・大村・雲仙とキリシタンゆかりの場所に行ってきたこと、日本でのキリシタンの歴史の興味から、若桑みどりの『クワトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国』の本を読んできたこと、星野さんのノンフィクションの作品がどれほど読み応えがあるかなど、思う存分話ができて、著者との距離がぐんと縮まったように感じました。好きな作家で、好きな本で話が盛り上がるのは最高ですね。書店主催の本のイベントの醍醐味もこのようなところにあるのでしょうか。 ワキヤマ