2019.05.15 編集部コラム 変化を受け入れる、春の日 年甲斐もなくフットサルというスポーツをしています。サッカーを小さくしたようなものです。これを始めてからかれこれ20年以上の月日が流れました。所属しているチームには、新しくちょっと若いメンバーが入ったりもしますが、当初からの仲間もほとんど残っていますので、みんなで齢をとって、みんなで傷を舐め合いながらやっているようなものです。 20年というけっこうな年月、使用するコートもほとんどずっと同じところでした。東京神宮外苑の「絵画館」前にあるフットサル場です。しかし、新しく生まれ変わる「国立競技場」と隣接し、再開発の区域に含まれているため、先の3月31日で閉鎖されることになってしまったのです。その当日にわざわざコートを予約し、別れを惜しむようにボールを蹴ってきました。我々の青春の詰まった通いなれたコートにもう二度と来られなくなるというのはなかなか辛く、感慨深いものでした。 でもその閉鎖の理由は「東京オリンピック2020」という世界的な夢のイベントのメイン会場に関連した再開発です。新しく始まる世紀のお祭り、新しく生まれる価値と関わることですからなんとなく希望があります。変化というのはその瞬間にはさまざまな感情を生み出すものですが、形あるものに変わらないものなどありません。ちっぽけな一人の人間として、古い思い出にしがみついて変わることを拒(こば)むよりは、しなやかに柔軟に、新しいステージへと向かっていけるようにならないといけないなぁと外苑の桜を仰ぎながら思った春の日でした。 バンドウ