2021.03.18 編集部コラム 編集者の目に見えないこだわり 編集者の仕事のひとつに、原稿整理というものがあります。 原稿整理の第一段階は、素読みです。著者から原稿が届いたら、内容が企画趣旨と合っているかなどを考えながら読み、加筆や修正を著者にお願いします。 修正が済んだら次に、編集者は用字用語の表記を統一します。同じ書籍のなかで、「このページではこの言葉は漢字で書かれているのに、さっきのページではひらがなで書かれていた。これって意味が違うの?」ってことがないように、表記ゆれをチェックします。 この表記の統一、意外に大変な作業です……。たとえば、この「大変」という言葉。苦労が並々でないことをあらわす場合は漢字を、程度がはなはだしいことをあらわす場合はひらがなを使っています(私の場合。出版社によっては、さまざまな言葉に対して独自の統一の基準をもっているところもあるそうです)。 ひらがなにするかは、文脈や文体などから判断しますが、副詞や助詞、形容動詞などはひらがなにするのが望ましいとされています(【色々 → いろいろ】【~等 → ~など】【様々 → さまざま】)。 大したことではないかもしれませんが、表記の統一がしっかりされている文章は読みやすいと思います。いい文章になるよう、「神は細部に宿る」を心にとめ、今日もがんばります! ナガセ