2022.02.22 編集部コラム 図鑑を見ても名前がわからないのはなぜか? 昨年12月に『図鑑を見ても名前がわからないのはなぜか?』が発売になりました。著者は、『ハエトリグモハンドブック』でおなじみの須黒達巳先生です。須黒先生は、勤務先の敷地内で昆虫とクモ800種以上を同定してきたほどの同定マニア。同定とは、生きものの種を確定させることです。 「名前なんて、図鑑をパラパラめくって同じやつを探せば、すぐわかるんじゃないの?」って思ってしまいますが、そんなに簡単なものではなく、とっても奥が深い作業です。分類学的に近い種はもちろんですが、近縁ではない種同士でも似たものがいます。また、変異などのせいで、図鑑に載っている写真と別の種に見えるなんてことも。生きものを見る目ができていないと、生物多様性という迷路に迷い込んでしまいそうです。 おかげさまで、『図鑑を見ても名前がわからないのはなぜか?』は絶好調。昆虫やクモに限らず、生きものが好きな方に幅広く手に取ってもらえているようです。同定というと、ちょっと地味なテーマに感じられるかもしれませんが、生きものを知るための大事な一歩。生きものが活気づく春、図鑑やハンドブックと一緒に展開してみてはいかがでしょうか。 ナガセ