「半年間のコーヒー断ち」　おすすめできない最高に美味しいコーヒーの飲み方について

３日間、激しい頭痛に襲われました。文字どおり、頭がズキズキと痛むのです。毎日欠かさず飲んでいたコーヒーを飲まなくなってからの３日間の反応でした。まさかこんな症状が身体に現れるとは思ってもみませんでした。とある祈願の成就を目指した６か月間のコーヒー断ちの始まりです。でも、たしかにあれだけ毎日摂取し続けたカフェインを急に摂らなくなると、また、あの苦みと酸味と香りの立った黒い液体を舌全体に転がすことが、向こう半年間できなくなると考えると、これくらいの反応が出るのも不思議ではないのかもしれません。

いざコーヒー断ちが始まると、同時に代替品の模索も始まりました。せっかくのカフェイン断ちでもありますのでちょっとだけ健康を意識してルイボスティを試すことにしました。しかし、優しすぎる！美味しいんですけどいかんせん優しいお味。これだったらいっそのことお湯のままのほうがいいかもしれません。その後、ココアはもちろん、粉末のマサラチャイ、抹茶ラテ、ほうじ茶ラテなど、刺激の代わりに甘みのあるものを交互に飲み続け、最終的にはやっぱり緑茶がいい、というところに落ち着きました。けっきょくは旨みのある苦みとカフェインの刺激から離れられないのですね……。

あとひと月でコーヒー断ちが終わるという頃から「最初の一杯」をどこで飲むか、どこのコーヒーを飲むか、ということを気にし始めました。この頃からコーヒーを飲んでいる夢を見るようにもなりました。迂闊にもコーヒーを飲んでしまう→「しまった！」と思って目を覚ます→夢だとわかって安堵する、という朝を何度か迎えることとなったのです。やっぱりやせ我慢していることって夢に出てきてしまうのですね。その間にもネットで美味しいコーヒーが飲めるお店を探し続けて目星をつけていきました。

そして、とうとうその日がやってきます。電車を乗り継ぎコーヒーを飲むためだけにわざわざ出向いた初めて訪れる街の初めて訪れる珈琲屋さん。この日飲んだコーヒーの味は一生忘れることができません。間違いなく人生で最も美味しい一杯となったのでした。

バンドウ