2023.06.26 社長コラム ひとりじゃないので 一般的には、出版社を営むにあたって、モノはあまり必要ありません。本を製作する業務は印刷会社や製本会社に外注するので、機械設備は保有しません。在庫管理のために倉庫が必要ですが、ベレ出版のような小規模の出版社は専門の倉庫業者に外部委託することが多いようです。在庫の管理と、販売会社(卸売会社)・書店(小売店)との間の発送業務も請け負ってくれます。基本的なオフィス用設備(デスク・パソコン・電話・FAX・コピー機)はさすがに必要にも思えますが、今では携帯電話はもちろんのこと、インターネットFAXというサービスもありますし、さらにリモートワークやシェアオフィスも一般的になってきたので、オフィスを構えること自体も必須ではなくなっているかもしれません。 といったわけで、出版社はほぼ何も持たずに身一つで経営できる、とても身軽に営業できる業態と言えます。「ひとり出版社」と呼ばれる、一人だけで事業を行なっている会社がいくつもあるのも、出版業が身軽な業態であるが故でしょう。個性的で魅力的な本を出す「ひとり出版社」が数多くあります。すべての業務をひとりでこなすのは大変だろうと思いますが、すべてを把握したうえで思うがままに出版できることは強みにもなるのでしょう。 「ひとり出版社」の熱意と、発行されるこだわりある書籍の数々は一読者として魅力的に感じます。でも、「ひとり出版社」ではないベレ出版としても、負けずに「ひとりじゃない」ことの強みをうまく引き出していきたいところです。月並みですが、チームワーク、社員同士の関係性がとても重要になります。出版企画などのさまざまなアイデアに多くの意見が出され、どんどん改善させていける会社が理想です。活発な意見交換や、社員同士の前向きな切磋琢磨を生むために、前提となる信頼関係をどう作っていくか、ということを日々考えています。 そんな狙いもあって、先日、社員一同で「日帰り研修バス旅行」を実施しました。元々、コロナ禍前には泊りの社員旅行をしてもいたので、規模を縮小しての復活です。オフィスを離れて気分転換にもなりましたので、社員の皆さんも楽しんでくれたようでした。社員旅行なんて今の時代に流行らないのかもしれませんが、同じ空間でみんな一緒に過ごすのは一体感を生むのに効果的だと思います。オフィスも、ベレ出版の場合はやっぱりあった方がいいんじゃないか、と今は感じています。今後もワン・チームとして一体感を持っていけるよう、手を変え品を変え、工夫していきます。