2023.08.21 社長コラム オリジナリティーーー!!! 編集者が発案した企画は、ベレ出版の場合は社員全員が参加する全体会議で議論され、最後は社長が決裁を行ないます(企画会議のことは過去にも記事にしているので、よければそちらもご参照いただければ幸いです)。企画を決裁する際、ベレ出版では下記の3つの要件を満たしているかをチェックしています。 1. 学習者にとって有益な内容か 2. オリジナリティがあるか 3. 一定以上の売上・利益が見込めるか 端的に言えば、1.は「内容が良いか」という絶対評価で、2.は他の本と比較しての相対評価です。3.はお金の話ですね。1.と3.は、決裁基準としては当然のことと思っていまして、会議の中であえて強調して確認することが多いのは2.です。3つの要件は全部必須ではあるのですが、並列ではなく私が重要と考える順番になっています。3.に挙げた「一定以上の売上・利益」よりも 2.「オリジナリティ」を上位にしているのは、それほどこの要素が大事だと思っているからです。 出版物は毎年約7万点の新刊が発行されていると言われますが、その中には内容の似通った本(類書)もたくさん存在します。「ヒット作が出ると、それに似た本が他社から立て続けに発行される」というのは「出版あるある」の一つです。読者にとって選択肢が増えるのは悪いことではありませんし、後発の類書がヒット作の欠点を踏まえた良作というケースもしばしばありますので、類書が発行されること自体は一概に悪いとは言えません。しかし、表面的な部分だけを真似したような、あまり質の良くない本も散見されるように感じます。ベレ出版ではそのような安易な模倣は良しとせず、「既に類書があるなら、それとは明確に異なるオリジナリティを備えること」をすべての企画に求めています。 創業以来、先代社長の頃から事あるごとに「オリジナリティはあるか!?」と口を酸っぱくして問い続けてきました。最近では「他の本より明確に優れた点があるか」「代替できない価値があるか」「なぜ読者が他の本ではなくこの本を選ぶのか」など、オリジナリティをあえて別の言葉に言い換えたりもしていますが、言いたいことの本質は変わりません。本が多様であり、どんな本でも類書が付き物である以上、その中から読者に選んでもらえる本を作るために、これからも「オリジナリティ=この本ならではの魅力」をベレ出版では最重視していきたいと思っています。