2023.09.25 社長コラム 出版社の営業 出版社の仕事は、一般的には「編集」と「営業」に分けられます。出版社を志す人は、編集志望の方が多いようです。ちなみに、私は編集をやったことはありませんが、営業は2年ばかりしておりました。編集ももちろん魅力的ですが、なかなかどうして、「出版社の営業」もとてもおもしろい仕事だと思っています。 一般的な出版営業の仕事は、書店さんに対して自社の本を仕入れてもらうよう交渉することです。また、間に入る取次会社さんと交渉する仕事もあります。こちらに力を入れている出版社もありますね。ベレ出版の場合は、取次会社さんとの商談もありますが、書店さんを相手にする仕事の方が多いです。書店さんを訪問して、これから出る新刊や、定番商品、話題性のある本や時季に合った本を紹介して、「こんな人が買うと思うから置いてください!できたらこの場所に置いてください!」とアピールするのです。 書店営業を担当すると、ともかくたくさんの書店員さんに会えます。書店員さんは人柄も様々ですが、仕入れの考え方も人それぞれで、内容やテーマを重視する方もいれば、データを重視する方、カバーの印象を重視する方もいたりします。また、店舗の特徴や個性も千差万別です。そういった書店員さんや各店舗の個性に合わせて、多種多様な営業を試せるのがとてもおもしろいと思っています。出版物は種類も多いので、薦める本も相手先によって変わります。店舗ごとに異なる戦略を立てることに頭を使いますし、毎日の仕事に変化があって飽きません。お店に合うだろうと予想した本を仕入れてもらい、狙い通りに売れたときには「よしっ!」とガッツポーズです。最近は、書店さん本社のバイヤーさんと全支店分の仕入れ数を相談するケースもあるのですが、各店舗に足しげく通い、お店に合った商品を提案することが出版営業の醍醐味だと個人的には思っています。 千駄木にある「往来堂書店」さんがX(旧twitter)で公開している「公開書店営業inスペース」という企画があり、先日ベレ出版も登場しました。出版社が書店さんで行なっている営業トークを、ラジオ的にみんなが聞いている中で披露するというユニークな企画です。だいたい2週に一度、新しい回が放送されており、過去にもいろいろな出版社さんが出演しています。普段の営業は時間に追われながら話さないといけないのですが、この企画では出版社にたっぷり時間がいただけます。そういった面など、普段の営業とは若干違う部分もあるのですが、出版営業がどんな仕事かが多少は伝わるかと思います。アーカイブがPODCASTで聞けますので、ご興味ある方はどうぞお聞きください。下記の往来堂書店さんのウェブサイトからリンクが貼られています。https://ohraido.com/ なお、私もちょこっと登場しております。久しぶりに営業トークをしたので、なんだか昔の血がうずいて、ワクワクしました。また久しぶりに書店さんを営業回りしようかなぁと思ったり思わなかったり。営業部長に頼んでみようかと思案中です。