2024.03.25 社長コラム 足で稼ぐ 以前の当コラムで「久しぶりに書店さんを営業回りしようかなぁ」といったことを書きました。だからというわけではないのですが、2月から書店訪問をちょっとだけ担当することになりました。担当地区は御茶ノ水・神保町周辺という限られたエリアだけですが、商品の案内をしたり、各お店の品揃えの考えをお聞きしたりと、せっせと営業しています。久しぶりの営業は楽しくもありますが、難しい。自社の商品の特長はひととおり頭に入っていますが、会話の中でパッと思いついて提案するようなことがまだまだできません。勘を取り戻すのにもうしばらく時間がかかりそうです。 一昔前は、店舗に直接訪問するのが出版社の営業手段として一般的でしたが、最近はチェーン本部の仕入担当者と交渉する形が増えてきました。セントラル・バイイングというやつです。本部商談が増えた結果、書店訪問を減らしている出版社も増えています。書店現場では、少ない人員で回しているお店が多いので、出版社との商談に多くの時間は割けません。本部で複数店舗の仕入れを取りまとめる方が効率的といえます。 ベレ出版でも本部担当の方との商談が増えてきまして、書店に訪問しなくてもご注文をいただける機会が得られるようになりました。では、書店訪問はもはや必要ないのか。あるいは、現場の書店員さんにとって、出版社の訪問営業は意味がないのか。何なら邪魔なのか。この辺は業界内でも意見がさまざまにありそうですが、ベレ出版としては、書店訪問も引き続き重要であるという考えでおります。「やはり人と人は、顔を合わせてナンボだよね」ということもあります。それから、本を売るためのヒントは現場に転がっているという思いがあるからです。どんなことが世の中で注目されているのか、どんな本が売れているのか、書店員さんはどんなことを考え、どんなことに悩んでいるのか。書店現場に直接行くことで見えてくることがたくさんあります。私自身も書店訪問をするにあたり、もちろんご注文もいただきたい(できればたくさん、いただきたい!)ですが、それ以上に現場の知見をたくさん自社に持ち帰りたいと思います。売上も知識も情報も、たくさん足で稼いでくるぞ!という思いで、毎週神保町に足を運んでいます。